Mistery Circle

2017-08

【 管理人特別賞 】《 お菓子の国のアリス 》 すぅさん - 2012.07.08 Sun

ナイスキャラ&台詞賞だけでびっくりなのに、管理人さんご指名(ちゃぅ!)ってことは・・・。来年はもっと書け!という激励と思って頑張りますーーー(汗
ありがとうございました。

ってことでここでも書きますね。
え?ここじゃなくて、本編で書けと?
すみません。頑張ります。


心地いい風 。
俺の肌を、さらりと撫でて駆けていく。
「・・・懐かしい。」
ここから見える景色は、ずいぶんと変わってしまった。
ビルが立ち並び、住宅街がひしめき合う。
あの頃はもっと、のんびりとした景色だったのにな。
少し残念だけれど、でも、ここは変わらない。
立派に空へ、背伸びする逞しい木。
緑が清々しい芝生が美しい丘。
気持ちが良いな。
羽を伸ばしたくなる。
「おっと、いけないいけない。」
思わず深呼吸して、寝転がってしまいたくなる衝動を抑えた。
いや、本当は空を駆けたいんだけどな。

・・・・・・・・・・・・

今日は女将とお嬢に言われて、久々に休みを取った(取らされた)。
「たまには行きたい所もあるでしょう?」と、満面の笑みで言う女将の目が怖かったのが一番の理由だったりする。
なんでも、「勤務表に、たまには空白を作ってちょうだい」だそうだ。
ロードーなんとか、って所がウルサいらしい。
俺は、そこのヤツもウチの蕎麦に目がないから気にしなくても良いと助言したが、「いいから休む!」と真珠の付いたお守りをお嬢が振りかざしてたっけ。
あれはヤバいな、当たれば多分下手すりゃ大火傷だ。
まぁそんなこんなで、行きたい所もないからこの丘に来てみた・・・って感じだ。
思い出深い・・・ある意味ね。
あんな事があってから、ずっと敬遠してたからな。
あの子は・・・元気にやっているのか?
この丘で出会った少女。
彼女は、この世の住人ではない。
「悪禍死(おかし)の国」の住人だ。
王子様との盟約を果たすために、俺に近付いてきた少女は今何をしているんだろうか。
なんて、一人思いに耽っt「ちょっと。」
・・・気のせいか。
「気のせいか。じゃないわよ。」
この、馴れ馴れしく聞き覚えのある声は。
「お久しぶりね、タツさん?」
俺が声のする方へ振り返ると、そこには少女の面影を残した女が立っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なんでここに?」
お互いに、その質問から始めた。
俺は「暇で、行く所がないから」と答えた。
彼女は「あら、あの子の面倒見るの嫌になったの?」とクスクス笑った。
その笑顔には、あの時のような影はなかった。
それよりも。
彼女がここに来た、来れた理由には驚いた。
「私?王子様の独裁政権から民主主義に政権交代しちゃってさ。」との事。
今では、「悪禍死の国」と呼ばれた国を政治家が政府を作り「御家始の国」なんて、新興国家を名乗っているらしい。
そんな、笑い話みたいな事があるんだな。
俺がしきりに感心していると、彼女が思い出したかのようにポケットから何か取り出した。
「私がこっちに顔を出した理由のもう一つがね、これなの。」
彼女の手には、「すまほ」という小さな箱。
女将とお嬢も、最近夢中になっている。
「一緒にやろうよ」と誘われたけど、俺には難しくて。
なんて事を考えていると、彼女が何かを見せてきた。
「これ!!書いたのタツさん??」
彼女が俺に突き付けたのは、一つの画面。
文字が書かれているようで、ゆっくりと目で追ってみた。
・・・これ。
「『オレニチカヅクナ!!』・・・?」
あれ?
「『ねぇ・・・××さん?』・・・?」
あれ?
これって・・・。
呆気に取られる俺を、彼女がイライラした声で問いつめる。
「これ!!私とタツさんの事よね!!」
うん、間違いない。
あの時のやり取りが、一部始終書かれている。
おかしい。
この事を知っているのは、女将とお嬢しか・・・。
うん、あの二人ならやりかねない。
そういえば、女将とこの話をしてる時に目を輝かしたお嬢が傍にいたっけ。
最近、小説を書くのにハマっているなんて話だったし。
苦笑いしか出てこない俺に、彼女が追撃をする。
「これ!向こうの国で問題になってるのよ!」
それはそうだろう。
知られざる不思議な国の、大スキャンダルみたいなものだし。
「王子様に話を聞かれるわ、暴露本みたいになるわで大騒ぎだったのよ。」
うん、だろうな。
「しかも、なんか私が凄いイタい子みたいになってるし・・・顔から火が出たわよもう!!」
いや、それを言い出したら俺だって。
「と!に!か!く!『著者からの一言が欲しい!』って言われてるの!!タツさん、一緒に来て!!」
えー・・・。
俺も被害者なのに。
なんて、考えは手遅れだった。
「行くわよ!!」という声と一緒に、それまでそんなの無かったのにドアが現れた。
ぎぃ、という音が聞こえると、ドアの隙間から光が差す。
なんだか面倒くさい事になりそうな気がするけれど、今日1日退屈しなくて良さそうだ。
「行ってらっしゃい。」
女将の声がした気がしたけど、空耳だろうな。

・・・・・・・・・・・・・・・

「おはようございます、女将、お嬢。」
次の日に、満面の笑みで迎えてくれた二人に昨日の出来事を話した。
久々に会った彼女は、不思議の国のアリスでしたと。
お嬢は、しきりに「ふん♪ふん♪」と楽しそうに話を聞く。
女将は、「そう、良かったわ♪」と笑顔を浮かべていた。
でも、話さなかった事が一つだけある。
実は、ドアの向こうに行った後の話は詳しくしなかった。
何があったか?
①記者会見に呼ばれた。
②何故か、アリスとして有名な彼女の婚約者になっていた。
③「明日も来てくれるかな?」と、サングラスをした男性と話をさせられた。
正直、疲れた。
濃すぎる1日で、少し痩せたかもしれない。
でも、そんな事も言ってられないな。
早く開店の準備をしなければ。
俺は、必死にメモを取るお嬢をなだめながら席を立つ。
「待ってー!タツさん!最後に一言!」
お嬢が、行かないでー!と叫ぶ。
「・・・ノーコメントで。」




【 ナイス名台詞賞 】 すぅ - 2012.07.08 Sun

私が受賞ですか?
って、私の書いたキャラと台詞が受賞なんですね♪
最近ちっとも活動していないのに、こんな賞を貰ってしまっていいのでしょうか?などと書いていますが、実はめっちゃ嬉しいですぅ♪

ありがとうございます。

では、その喜びを久々に文章にしてみました♪


・・・・・「受賞コメントだって、クラさん。」
私は、最近買ったスマホをペチペチしながら隣の彼に話しかけた。
まだまだ使い慣れなくて、やっと見れたこのサイト。
ここでは、色んな物語をみなさん、思い思いに描いて繋いでいる。
そんな雰囲気に、ついつい参加しちゃった。
でも、なかなかペン(キーボード?)が進まなくて。
うーん、と悩んだ末に思いついた。
「実体験を書いちゃえ♪」
うん、我ながら良いアイディアだった。
幸か不幸か、私の周りには不思議な人や物が一杯なんだからね。
その中の一つ(一人になるのかな?)が、私の隣に鎮座遊ばせます御本様。
エラそーで、口五月蠅くて、たま~に古紙回収に出してやろうかと思うけれど。
でも、優しくて色んな事を知ってる哲学者さん。
え?本なのに哲学者なのかって?
yes、しゃべるんです。
時々動きます。
本なのに、本を読んだりします。
そんな彼の知り合いさんを書いた、「白の夢」。
今回、そのお話が受賞したって管理人さんからメールが来てたんだよね。
「えーっと、名キャラ賞と名台詞賞?」
名キャラ?
あー、ナイちゃんの事か。
ナイちゃんは、クラさんこと哲学者さんの知り合いさん。
かぼちゃで、まんまる目玉の妖精さん。
お札に弱い(笑
確かに、名キャラだよねー。
突然紙から飛び出してきて、ふよふよ浮かんでるんだもん。
思わず、母様(この人も不思議なんだ)お手製のお札ぶつけたらジュウって。
なんだかパンプキンパイが食べたくなる匂いがしたっけ。
おっと、哲学者さんをほったらかしにしちゃってた。
「クラさん、ナイちゃんは今何してるの?」
思い出したかのように話を振る私。
「さぁね。私にも分からん。」
ありゃ、そのせいかちょっと不機嫌。
「クラさーん!もうほったらかしにしないからー。」
クラさんは、ふむと言ったまま黙ってしまった。
もー、すぐスネるんだから。
私はまた、スマホに夢中になる。
すると、クラさんがむむっと唸った。
「居たぞ、彩見とやら。」
いい加減フツーに呼んでくれないかなぁ、って居た?
それだけ言うと、クラさんがぶるぶる震えだした。
「えっ、えっ、何??何なの!?」
私は、思わず後ずさりをする。
ぶるぶる、ぶるぶる。
クラさんの本はまだ震えてる。
ぴたっ。
さっきまでの震えが嘘みたいに、クラさんが止まった。
もこっ。
もこっ。
ひぃぃぃ、なんかクラさんの表紙が盛り上がってるぅぅぅぅ!!
ホラー映画みたいな状況に、私はもう悲鳴が出そう。
その時、クラさんの盛り上がり方が限界になっと何かがぽーんと飛び出した。
「わー♪久々だn」
「きゃあああああああっ!!!」
私は、我慢できなくなって悲鳴を思い切り上げた。
そして、手元にあった物をそいつに投げつけた。
母様のお札(クラさん真珠付き)。
ジュウ。
「前よりもあっつ?!!」
あ・・・ナイちゃん。
またやっちゃった。




・・・・・・私は今、正座している。

「おんどりゃー、こら、二回目とかもう笑えへんねん、あほんだら、こら(以下略)」
お父さんお母さん、あなた達の娘はまたかぼちゃに怒られてます。
しかも、よっぽどしっかり焼けたのか、ナイちゃんからちょっと香ばしい匂いがまだするし。
説教が全く耳に入ってこない所で、まだ怒り心頭なナイちゃんに切り出す。
「ナイちゃん、なんでクラさんから出てきたの?」
そう、ナイちゃんはあの古い紙っきれから出てきた妖精さん。
クラさんから出てこれるはずがない。
ナイちゃんは、不思議そうに聞く私が嬉しかったのか得意気に指をちっちっちっと振った。
「僕はねっ、妖精さ!物語があればどこからでも出るよ!出るよ!」
つまり、本があればどこからでも出入り自由ってことかー。
便利な身体だなぁ(笑
あ、そうそう!本題忘れる所だった!
「あのね、ナイちゃん。呼んだのはね、これなの。」
私はまた、スマホをペチペチ叩いてさっきの画面を呼び出した。
ナイちゃんがまんまるの目玉を、更に丸くしながら画面を見つめている。
「名キャラ賞・・・って、僕のことだねっ!!ぷすすっ♪」
一通り読んで、自分のことだと分かると小躍りを始めた。
なんか、ナイちゃんが飛びはねる度にピコピコ音が聞こえるのは気のせいかな。
「嬉しいねっ!嬉しいねっ!みんなに教えてくるねっ♪」
ナイちゃん、それだけ言うと本に飛びこんで消えちゃった。
あ・・・コメントもらってないや。
まっ、いっか♪
「嬉しいよ、ぷすすっ♪」って書いちゃえ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「この度は、こんな賞を頂いてありがとうございました・・・っと。」
あれから結局、ナイちゃんは帰ってこなかった。
クラさんいわく、「妖精は霧の如く。」らしい。
まぁ、嬉しそうだったしいっか。
「ナイは、『嬉しいよ、ぷすすっ♪』って言ってます・・・っと。」
「クラさんは、『哲学したまえ』、だそうです・・・っと。」
うん、私は嘘ついてない(笑
なんて、独り言をつぶやきながらスマホをペチペチ。
「彩見ー!早く支度なさいー!」
「はーい!今行くー!」
母様に呼ばれちゃった。
じゃあお仕事に行ってきます。
え?誰としゃべってるのって?
ナイショ♪




《 お菓子の国のアリス 》 - 2012.07.04 Wed

《 お菓子の国のアリス 》

 著者:すぅ






「普通で、いいと思うよ。」
あの時、彼女は俺にそう言った。
俺をまっすぐ見つめるその目は、どこまでも澄んでいて、
何もかもを包んで、何もかもを許してくれそうなほど深かった。

「あなたは、あなたでいいじゃない。」
そう言って、そっと俺に触れたその手は、とても白くて綺麗だった。
少しでも力を込めてしまえば、折れてしまいそうなほど細い。

「でも・・・・・。」
その彼女の言葉を素直に受け止められなくて、俺は否定の言葉を口にしてしまった。
だけど、彼女はそんな俺を見つめ返しながら、こう言った。
「ううん、あなたはあなたの存在だけで価値があるんだよ。」
顔を背ける事もなく、微笑みながらまっすぐ俺を見つめてくれた。

その時、そよ風が通り抜けた。そんな気がした。
通り抜ける風が、彼女の香りを運んできた。
暖かい、優しい香り。
それが俺の心を溶かした。

「ありがとう。」
気がつくと、俺は彼女にそう言っていた。

今まで笑顔なんて作った事は無かった。
それでも、彼女に贈った笑顔は、きっとぎこちないものだったに違いない。
よっぽど変な顔だったのか、彼女がクスっと笑った。
俺も、彼女を真似て笑う。

ああ、笑うってこんなに気持ちが良い事だったんだ。
それを教えてくれた彼女に、もう一度、今度は心の中でお礼を言った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼女と初めて会ったのは、どんよりと空が暗い日だった。
嫌な色の雲が立ち込め、今にも雨が降ってきそうなそんなある日の夕方。

人もあまり通らない俺のお気に入りの場所で俺は景色と同化し、当てもなくぼんやりと空を眺めていた。

その時、ふと視線を感じた。
(オレニキヅイレイルノカ?)
そんな疑問を持つ間もなく、心地よい声が聞こえた。
「どうしたの?」
それが、彼女が俺に掛けた最初の言葉だった。

(ナンデ、コイツハオレニハナシカケタ?)

それが、俺が彼女に感じた気持ちだった。
俺は、人が嫌いだった。
人・・ではない。自分の他のものが信じられなかった。

信じたら、裏切る。
与えられたら、奪い合う。
不遇か、そんな光景を何度も目にしてきた。
だから、俺は俺以外のものが嫌いだった。
嫌いだったというより、信じられなかった。
いや、信じられなくなっていた。
(ドウセ、オマエモソウナンダロウ?)

浮かんでは消える沢山の記憶と闘いながら、俺は声のする方を見た。

俺の視線の先に、真っ直ぐに俺を見つめる瞳があった。
それは、制服を着た髪の長い少女だった。

その彼女を俺は、今にも噛み付こうとする勢いで睨みつけた。
大抵の奴は、これで怖気づいて離れていく。
そうさ、これで良いんだ。
俺に、関わるな。
しかし、彼女は違っていた。
一切怯まず、それどころか更に歩み寄ってくる。
「怖がらないで。」
そう言って、俺に触れようとする。

(オレニサワルナ!!)

彼女が触れようと伸ばしたその手を、勢い良く跳ねのけた。
「っ・・・!」
爪で引っ掻いてしまったようで、彼女の手に血が滲んだ。

(・・・キズツケルツモリナンテ・・・・)

そんなつもりは無かったのに。
・・・でも、これで良い。
これで、こいつも怖がってどこかへ行くだろう。
これで良いんだ、これで。

ふと、俺の顔に柔らかい何かが触れ、甘い香りがした。
彼女は怖がるどころか、俺を抱きしめて来たのだ。
あまりの出来事に、俺は驚いて言葉を失う。

「大丈夫、痛くないから。」
(イタクナイ・・・?)
血が出るほど、俺は乱暴にしたのに?

「私は痛くない、あなたは痛かったね。」
(イタカッタ・・・?)
(オレガ?)

「怖かったんだね、苦しかったんだね。」
彼女の声が、震えているのが分かった。
傷が痛むからか?
「ごめんね・・・一杯傷付けちゃったね。」

(ナゼ、コイツハオレニアヤマッテイル?)
(ワカラナイ・・・。)
(・・・アタタカイ・・・・。)

気付くと、俺は彼女に体を預けていた。
さっきのように、跳ね飛ばすのはたやすいことなのに、俺にはそれが、出来なかった。
もう一度、自分以外のものを信じてみようという気持ちが俺の中に生まれた。
ずいぶん長いこと、忘れていた感覚だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからも、彼女は何度も俺に会いに来た。
同じ時間に同じ場所で。
違うのは、空が綺麗な青色に染まっているぐらい。
そして色んな話を、彼女から聞き、彼女に話した。

驚いたことに、どんな話をしても、彼女はそれを受け止めてくれた。
俺の身の上話をしても。
俺がどこで何をしてきたかを話しても。

「だって、貴方は貴方だもの。・・・・ねえ、・・・・さん。」
「!!」

彼女にはわかっていた。
俺が何なのかを。
それでも俺のそばにいてくれたのか・・・。

何だか肩の力が抜けた。
こんな気持ちは久しぶりだった。
誰かと話し、そして笑う。
嬉しいってこんな気持ちなんだな・・・・。
ずっと忘れていた・・・・。


そんなある日、彼女が友達を連れて来たいと言った。
なんでも、その友達が俺に会いたいと言い出したらしい。
なぜかはわからないが、俺と彼女が話しているのを知っていたのだそうだ。
彼女は何度も断ったが、とうとう根負けしてしまったと、申し訳なさそうに俺に言った。
なんでそんな事に・・・と思ったが、彼女の頼みなら断れない。
俺は、不安を感じながらも承諾した。


次の日、彼女はその友達を連れて俺に会いに来た。
その子は、俺をじっと見つめて微笑んだ。
その笑顔に不安を感じたが、俺は、彼女と同じようにその子と話した。
しばらく話し、彼女達は帰って行った。
帰る二人の後ろ姿を見送りながら、俺は違和感と胸騒ぎを感じていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(なぜ、彼女の友達は俺に会いにきたのか?・・・・)
わからない。
そう考えていると、後ろに誰かの気配を感じた。

振り向むくと、そこには彼女の友達が立っていた。
(何で?何をしに・・・?)

あまりに急なことに、対応に困っている俺に、その子から話し掛けてきた。

「ねぇ。」
・・・!?

いきなり肌が粟立った。
(何だこれは・・・。)
彼女の友達は、口元に笑いを浮かべながら近づいてくる。

さっき会ったその子の雰囲気ではない。
知っている。
この感覚。

「彼女に近づいたら見つけたわ。あなたのこと。思ったより可愛いのね。中学生?」
まるで、口が耳まで裂けてるように見えるほどその子は笑っていた。
その笑顔は、彼女が見せるあの笑顔とは全く違う別のもの。

「ねえ、私に力を貸して欲しいの。」
その子の目が、黒く黒く染まっていく。
あの日の、嫌な空の色と同じ。
「貴方の事は誰にも言わないでね、って言われたけど。私が貴方に会うのは構わないわよね。」
嫌な匂い。
湿った、よどんだ匂いがする。

(コノニオイ、アイツラノニオイダ。)

信じたのに裏切って、与えられたのに奪い合った。
人の、欲望の匂い。
「私、あの子が嫌いなの。周りからチヤホヤされちゃってさ。」

(・・・・・・オレニチカヨルナ。)

「だからね、あの子の後をつけて、貴方を見つけた時に思ったの。」
(やめろ・・・・・。)

「普通じゃない貴方の力で、あの子に勝ちたいって。」
(やめろ!!)
「そしたら、私がチヤホヤして貰える。あの子の代わりにね。貴方の力ならそれができるわよね。」
(やめろ!!)

「ねぇ、私も抱きしめてあげよっか。」
その子の歪んだ笑顔が近づいてくる。
(来るな・・・!)
「ほら、来てよ。・・・さん?私達仲間じゃないの?」
(・・・・・!!)
俺の、本当の名前。
なぜお前が、呼ぶ?
その名前を。

その名前で俺を呼ぶな。
彼女にだけ教えたその名前を。

(・・・・ヨブナァァァッ!!!)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わかっていた。
その子が、普通でないことに。

だけど、彼女に言えなかった。
彼女の友達を悪く言うなんて、俺にはできない。

でも、その子の頼みなどはもちろん聞く訳もなかった。
その子がどうなろうと、俺には関係のないことだった・・・。


慣れていたはずだった。
こういう厄介な頼みごとも。
一人で暮らしていくことも。

平気なはずだった。

でも、「平気って言っても、痛いものは痛いんだよ。」
彼女が言った言葉が思い出される。



(久しぶりに、こんなことしてみてもいいと、誰かが俺にそう言ったんだな・・・・)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「こんにちは。」
藪影庵の木戸を開け、誰かが入って来た。

「あ・・・あのう・・・まだ開店前なんですが・・・・。」
私は、入ってきた人に、申し訳なさそうに答えた。

「あ・・いや・・・。この店従業員を募集していると聞いたもので・・・。」
素敵に年を重ねた、渋い中年の男性がそこにいた。

(あれ・・・?うちの店従業員募集してたっけ?)
と少し考えたが、とりあえず話を聞こう。

「今、父を呼んできますね。」
そう言ってもう一度彼の顔を見て、驚いた。

「・・・・あ、もしかして貴方、・・・・・さん?
オトコノコじゃ・・ないの?」

「あ~。気づかれてしまいましたね。貴女にはかなわないな。
中学生じゃ働けないでしょ?」
なんてこと・・・?

「不肖、私「たつ」は・・・・藪影庵の助っ人に参上しました。いろいろお役に立つこと請け合い。」
そう言って、彼はいたずらっぽく笑った。

「「たつ」・・・さん、ね。」
「貴方がここで働いてくれるなら嬉しいな。」

その時に見せた彼の笑顔は、今でも忘れない。
そう、ナイスミドルなのに少年のような笑顔。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お嬢さんの制服姿を見て、そんなことを思い出していた。

いつの間にか女将さんがそばに来て、俺の肩越しにお嬢さんを見ている。

「ねえ、辰さん。何考えてるの?」
いたずらっぽく笑うその顔は、あの頃のままだ。

「彩見の制服姿見て昔のこと思い出したとか?」
(やっぱり、この女性妖だよな・・・)
苦笑いをしながら俺は答える。
「わかっちゃいました?」


「ねえ・・・・・・辰さん。あの子のこと覚えてる?」
唐突に聞かれて驚いたが、それが誰のことかはすぐにわかった。

「私と彼女が貴方と一緒に会った日、あの後何があったのか、ずっと気になってたの。・・・・・・・だってあの子・・・・・・。」
「わかっていたんですね?」
「次の日、学校に行っても、誰もあの子のこと知らないんだもの。まるで前からいなかったみたいに。」

「女将さん・・・。あの子は・・・・・。」
「あの子は・・・?」

「あの子は違う世界に帰ったんです。」
「あの子は・・・・やっぱりこの世のモノではなかったのね。」
「そうなんです。ふと気付くと以前からいたようにみんなの中にいる。でも顔を思い出そうとしても思い出せない。小さい頃、そういう友達がいたでしょう?」
私は黙って頷く。
「あの子は私の力で、そこにとどまっていたかったんです。でも・・・・。」
「私が断ったから、同じこの世のモノではない私に断られたから。あの子は女将さんのせいだと思ったんです。女将さんが邪魔だと思ったんです。だから・・・」
「辰さん・・・・・。」

「あの子はずいぶんねばったんですが・・・。私が首を縦に振らなかったから、あの子は約束の通りに・・・・。」
「約束?」
「あの子の願いを叶えられる力を手に入れられたら、あの子は現世にとどまれる。・・・そういう約束をしていたんですね。」

「でも、ダメだった。だから・・・・。あの子は連れて行かれた。あの子の痕跡も残さないで。」
「どこへ?」
「お菓子の国です。」
「お菓子の国?」
「そう・・・。王子様と盟約を交わし、その期限までに実行を迫るのなら、その女の子はお菓子の国に連れて行かれて、この世界からいなくなっちゃうんじゃないかって・・・・。そう言われていることがあるんです。昔から。」

「あの子は、お菓子の国へ行ったのね?」
そういう私に、辰さんが頷いた。
「本当は、悪禍死・・・・の国と書くんですがね。」


「あの子は女将さんの事が憎かった訳じゃない。気づいていたんです。女将さんの力に。だから一緒に私に会いに来た。自分のことをわかってくれるかもしれない女将さんと、もっと一緒にいたかったんですよ。お菓子の国に行きたくなかったんです。」
「あの子が消えても、女将さんだけはあの子のことを覚えていた・・・。違いますか?」

思い出した・・・。彼女の顔。
大きな口で笑っている彼女を。
彼女のそんな笑顔を見たことはなかった。
私の記憶の中にあるのは、いつもつつましく微笑む彼女だ。
でも、私は見ていたんだ・・・・本当の彼女を・・・。
今、やっと気付いた。
あの子は、この世界に迷い込んで来ていたのだということに。


「お菓子の国から、あの子はまたこっちへ来ることがあるのかしら?」
そう聞く私に辰さんは笑って答える。

「ここのお蕎麦は美味しいですからね。食べに来ているかもしれませんよ。」

ふと、お店の奥をみると、きつねそばを食べている娘の隣に、同じ制服を着た女の子が見えた気がした。


「藪影庵、特別営業やってますよ。ご来店お待ちしています。」
私は店の奥に向かってそう呟いた。





《 お菓子の国のアリス 了 》





【 あとがき 】
今回は、本当に悩みました。
特に終わりのフレーズ。
途中までは書けたものの、途中で止まってしまい、
どうやって納めるのよぉぉ~~~!で、放置。

ようやく形になりました。
おかげで、妙な趣味のアルバムを晒すことになしました。(汗

なんだかストーリーがむちゃくちゃですが、どうかご容赦を!


【 その他私信 】
やっと書けたと思ったら・・・・。
私、もしかして6月担当でしたっけ?

・・・・どぉしよぉ~~!(汗


すぅ
mixiアカウント
 http://mixi.jp/show_friend.pl?id=18218346


《 白の夢 》 - 2012.07.03 Tue

《 白の夢 》

 著者:すぅ








目を開けると、私の周りは白だった。
一面の白が、私を包んでいた。

いったいここはどこなのか? 
わたしは、どうしても知りたい気持ちにかられた

私は眠っていたの?
でも、ベッドも無い。

・・・思い出せない。

私は何をしていたの?


いくら考えても、わからない。


周りを見渡してみても、一面の白が沈黙を続けるだけ。
どうやらここは部屋のようだが、どこなのかはわからない。


ちょっと深呼吸して、今の状況を整理しよう。
・・・うん。

えーと、まず私は、誰?
そう・・・私は「藪影庵」の彩見・・・。

「藪影庵」は、妖さんが一杯来る蕎麦屋。

そして「藪影庵」は、元々、私のお母さん(妖さんより妖さんっぽい)が、切り盛りしていたお店。
お父さんは、仕事で海外を渡り歩いていて、だいたいいつも「絶賛航海中」。
お母さんは、そんなお父さんが大好きで、時間を見つけては会いに行っちゃう。
未だにラブラブ(死語?)なのはいいんだけど、娘のことも少し考えてよね。

だから、今は(仕方なく)私がお店を守っている訳。
厨房を預けている辰さんもまた・・・・「たつさん」な訳で・・・。

それから、この前の夏休みに喋る本の妖さんと出会ったなぁ。

ああ・・・そういえばB古書堂の栞さんに、一杯お仲間さんを託されたんだっけ。

あんまりにも五月蝿いから、お母さんの部屋に運んでやったけど。
あれから本達の声を聞いてないなぁ・・・。

そういえば、お母さんが、「こういうのは、還るべき場所に還さないとね、ウフフフ♪」
って笑っていたけど・・・まさか、ね。

・・・しかし、まとまりのない思考だなぁ・・なんて思うのは、きっとここが夢の中だからに違いないと、勝手に解釈している私がいた。

そんなことを考えていると、お尻の下に一枚の紙があるのに気が付いた。
長時間敷いていたせいか、所々がシワになってしまっている。
(私重かったかなぁ・・・・。)

申し訳ない気持ちで、紙のシワを懸命に伸ばしてみると、何か書いてあることに気づいた。その紙は少し古く、書いた文字は、インクが滲んでいて読めない場所もあったが、かろうじて読める部分を読んでみた。

「カ・・ボチャ?」
カボチャ?
カボチャってあのカボチャ?

あの、中が黄色くて、皮が硬~い、甘~いヤツ?

良く見ると他にも読める部分があって、「奇妙」やら「不思議」とか書いてある。

「カボチャで、奇妙で、不思議?・・・ハローウィン?」

一人でブツブツ喋っていると、遠くで変な笑い声が聞こえた気がした。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

笑い声を聞いたせいなのか、少し思い出してきた。
確か、この紙は誰かから貰った気がする。

そう、お店の定休日に街をブラブラしている時にだった・・・と思う。

えーと、どんな人だったっけ。
・・・ダメだ、顔が出て来ない。

確実に覚えているのは、その人から甘~い匂いがした事かな。
「変わった香水の匂いだなぁ」なんて、思ったのを覚えている。

その人にこの紙を渡されて・・・それから記憶がない。

という事は、私はその人に誘拐された、とか?
目的は?
私が、近所で「お店の美少女看板娘」だから?
「・・・な~んてね・・・・無い無い♪」

と、一人、ノリツッコミをしていると・・・・。


「・・・すす♪」


・・・なんか聞こえた。

さっきも聞こえた、変な笑い声。

「ぷす・・・♪」

また聞こえた!

間違いない、私笑われてる!
誰か、こっちを見て笑ってるんだ!

でも、誰が?
周りをぐるーっと見渡すけれど、やっぱり誰も居ない。
ただただ、白い部屋があるだけ。

・・・こんな事、前にもあったような~・・・。
あ、これイヤな予感、イヤな展開。


私は恐る恐る、紙へ視線を戻す。
・・・紙からなんか出てきてる。

黄色~い、そして甘~い匂いがする、でも何か分かんないモノ。

しかもなんかプルプル震えてるんですけど!?

・・・気持ち悪い!

慌てて、私は紙を投げ捨てた。
ヒラヒラと、紙は落ちていった。

紙が床に落ちた途端、「痛い!」という声が聞こえた。

何これ?
まだ紙から、黄色~いのが出てきてる。

「ぷすす♪」
その黄色いのが、明らかに笑った。

やだ・・・何これ?
こんなとこにも妖出るの?

紙を拾ってみるのも、ちょっと怖いので、足でツンツンしてみた。

うん、硬い。

しかも、ツンツンするたびにプルプルしてる。
あはっ♪
何故か楽しくなってきて、更にツンツン。

あ、プルプルが止まった。
黄色~い何かが、動きを止めたと思ったその時。
ピョン、と紙から何かが飛んできた。

「きゃぁ!!」
ビックリして、私は反射的に悲鳴を上げて目を閉じた。
しばらくそうして固まっていると、誰かが後ろから肩を叩いてきた。

「ねぇ~ねぇ~。」

・・・怖い!
振り返りたくない!

「ねぇ~ってばぁ~。」

・・・怖い!
でも見たい・・・でも怖い!

一人で怖いテレビを見てる時と、同じリアクション。
ヒトって不思議なモノで、結局見ちゃうんだよね。
やっぱりこの時も好奇心に勝てなくて、私は振り向いた。

・・・なんか浮いてる。

カボチャだ。
しかも服着てる。

あぁ~、これ、ハローウィンで良くあるカボチャだー。
可愛い帽子被ってるなぁ。
・・・で、何これ?

それは、30cm程度の大きさで、ちょっと派手ピエロのような服を着ている。
手足があって、
ステッキをぶんぶん振り回している。
そう、目の前に居たのは、目と口があって喋るカボチャ。

さて、皆さん、こういう時どうします?

目の前にぷかぷか浮かんでて、ステッキをぶんぶん振ってるカボチャが居たら。

①観察する。
②触ってみる。
③逃げる。

多分、③を選ぶ人が一番多いんじゃないかなぁって私は思うんだけど。

え?じゃあ彩見さんはどうしたのかって?

④。
お母さんお手製のお守りをぶつける。
実はこの前、
「あら、彩見、何か付いてるわね。ウフフ♪」って言って、これをくれたんだけど。
何が付いてたんだろ?
まぁいいや。

私は、そのお守りをカボチャに本気で投げ付けた。
ジュウッ。
お守りがカボチャのオデコに当たった瞬間、香ばしく焼ける良い匂いがした。

「あっつ!?」

カボチャの目が、涙目になったのが分かった。
カボチャって泣くんだねー。

ぷすぷすと、白い煙を上げるオデコを触るカボチャ。
「な・・何すんのさ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「くらぁーーーーーーっ!!
ちょっと 待たんかぃ、こら!
キミ 今 何した?
何したかって 聞いてんねん!・・・・・以下略」

・・・お母さんお父さん、あなた達の娘は今カボチャに怒られています。


それから小一時間、カボチャに怒られた所で私は聞いてみた。
そう、「貴方は何なの?」と。

そうしたら、カボチャは胸(あるのかな?)を、ふふんと張りながら答えた。

「僕はね、言葉の妖精さっ!突然ごめんよっ!ごめんよっ!」

まーた訳の分かんない事を言うのと出会っちゃったなぁ・・・。
しかも「僕」って事は、男の子なんだね。

夏休みのあの哲学者さん達で、ちょっと学習してた私は黙って話を聞く事にした。

「君が彩見さんだねっ?話は聞いてるよっ!」

・・・誰から?
というより、私は貴方を知らないんだけど。

そんな私の気持ちが伝わったのか、彼が慌てて自己紹介を始める。

「あ、僕の名前はナイ。よろしくね♪」
・・?ナイ?無い?
名前はまだ無い・・・って、猫?
それとも名前が「マダナイ」とかいうオチ?
などと考えていると。
「あのね、クラさんから頼まれてきたんだよっ!」と続ける。
クラ?蔵?
私の頭の中、?マークだらけ。
どうやらそれも伝わっちゃったみたい。

「ああ、クラさんは夏休みに君に見つけてもらった彼のことだよっ!」
ああ、あの冴えない(ごめんなさい)・・・・・哲学家さんのこと?
へぇ~、彼はクラっていう名前だったんだ・・・。
そういえば、名前聞いてなかったもんね。

「実は、彼から預かり物をしてるんだっ!」
・・・良く喋るなぁ、このカボチャ。
クラさんといい、このナイっていう妖精さんといい、良く喋るのばっかりなのかなぁ。

ああ、それで預かり物だったね。
なんだろう。
「これだよっ!」
ナイ君(でいいのかな?)は、ポケットをゴソゴソすると、丸ーい手をこっちに差し出した。

彼の手には、白くて丸いものが一つ。
「これは、クラさんからのお礼だよっ!」
「お礼?」
「うんっ、一杯お話出来て楽しかったみたいだよっ!」
私は、それを手にとってじっと見てみる。
これ・・・もしかして真珠?
透き通るような乳白色に輝きは、本当に綺麗。

その真珠からは、かすかに潮の香りがした。

「そうそう、クラさんから伝言を預かっているよっ!
"詩人にとって、真珠とは海の涙の雫なのだ"だってさっ!」

あはは。
哲学家さんらしい、ちょっと訳の分かんない伝言。
でも、お礼を言われるってやっぱり嬉しいな。

「じゃあねっ、僕の用事はそれだけだよっ!ぷすすっ♪」
ナイ君はそう言うと、床の上の紙の中にダイブした。

スポンとナイ君は紙の中に消えてしまった。

不思議な妖精だったなぁ。
でも、ありがと。
なんだか晴れ晴れとした気持ちで、私はナイ君を見送った。

そして、気付いた。
「私・・・どうやって帰るんだろう・・・。」

ナイ君が消えた紙を拾い上げてみるが、かすれた文字があるばかり。
「ちょっとぉ!私どうすればいいの?」と叫んでみると、白い部屋がぐるぐると回り始めた。
眩しい光が私を取り巻いたと思ったら、私は自分の部屋のベッドに座っていた。

「・・・・今のは夢?」

それにしては、リアルな夢だったなぁ。

辺りを見渡すと、ベッドに本が一冊。
「・・・・クラさん・・。」

母が「還ってもらう」と言っていた本たちと、還って行ったと思っていた。

私は本を手に取り、裏表紙のクラさんに話しかけた。

「ありがとうクラさん。ナイ君から確かにお礼は受け取りました。
もしかして、帰ってきてくれたんですか?また一緒に居られたら嬉しいです。」



「そうか。それは嬉しいな。」
いつものようにクラさんが答えてくれた。

ほんの少し、「あ・・・言うんじゃなかった。」という後悔の気持ちも起きたけど、なんだか、離れるのは寂しいもんね。

・・・という訳で、私とクラさんの縁はしばらく続きそうなのである。
やれやれ。



しかしその時・・・・・裏表紙のクラさんと脇の小さなオレンジ色のカボチャの挿絵がハイタッチしていることには、全く気がつかない彩見さんであった・・・。





《 白の夢 了 》





【 あとがき 】
あとがき
なかなか話が思いつかなかった時に、mcのtop絵見ていて思い付いたお話です。不思議なカボチャさんとクラさん、勝手に出しちゃってごめんなさい(汗


【 その他私信 】
夕べ締切の1時間前に送ったんですよ!!
でも、不具合で送れなかったらしいんです!
ホントです!(必死)
でも、遅くなってゴメンナサイ・・・。



すぅ
mixiアカウント
 http://mixi.jp/show_friend.pl?id=18218346

《 Night 》 - 2012.07.02 Mon

《 Night 》

 著者:すぅ






NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

MC運営委員会

Author:MC運営委員会
このブログの八割は、カボチャで構成されております。

カテゴリ

Mistery Circle(メインカテゴリ) (39)
寸評 (29)
MCルール説明 (1)
お知らせ (35)
参加受付 (23)
出題 (34)
メールフォーム (3)
内藤クンのおもちゃの部屋 (9)
天野さんの秘密の部屋 (8)
Ms.伍長の黙示録の部屋 (0)
伊闇かなでの開かずの部屋 (4)
未分類 (27)
亞季 (2)
いつき (1)
伊闇かなで (2)
空蝉八尋 (4)
黒猫ルドラ (12)
ココット固いの助 (21)
桜井 (1)
桜朔夜 (1)
鎖衝 (11)
知 (21)
しどー (12)
瞬 (3)
白乙 (12)
すぅ (13)
すずはらなずな (29)
田川ミメイ (2)
辻マリ (14)
夏海 (3)
七穂 (1)
氷桜夕雅 (30)
ひとみん (4)
松永夏馬 (12)
望月 (8)
幸坂かゆり (21)
李九龍 (13)
りん (3)
ろく (1)
Clown (12)
MOJO (1)
pink sand (9)
rudo (8)
×丸 (4)
MC参加者に聞け (7)
Mistery Circle ヒストリー (1)

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

検索フォーム