Mistery Circle

2017-10

《 Pioneer 》 - 2012.05.01 Tue

《 Pioneer 》

著者:知





『地球は青いヴェールをまとった花嫁のようだった』
 昔のとある宇宙飛行士が宇宙から帰還後にそう言葉を残したそうだけれど、今、こうして自分の目で宇宙から地球を見て彼がそう言葉を残した理由が何となく分った気がした。
 私と彼との間には数十世紀の隔たりがあるけれど、地球は青く美しいままだった。
「こんなに綺麗なのに、俺たち人類は普通に暮らせないんだよな」
 私の隣で地球を眺めていた鈴(レイ)がそう、ぼそっと言った。
 ある時を境に地球の環境は少しずつ変わっていった。
 このまま地球の環境が変わっていけば人類が滅びてしまうかもしれない、しかし、環境の変化を止められそうもない。そう考えた人類は、一定の区間の環境を人類にとって最善状態にする機械――環境維持装置を作り出した。そして、その装置の有効範囲をバリアで囲い、その中で人は暮らす事になった。
 ただ、その装置の有効範囲は決して広いものではなく、又、大量生産できるものではなかったため、人類は限られた範囲内でしか生活をすることができなくなった。
 そのような暮らしをして数世紀後、環境の変化が治まり、外の世界(バリアの範囲外の区域をそう呼んでいる)について研究する人たちが現れ、人間以外の動物が外の世界で何事もなく暮らしているという事実が明らかになった。
 進化し環境の変化に対応できるようになったのだろう、との事だった。環境の変化に対応できず死んでしまった個体はいても、種として絶滅することはなかったようだ。
 けれど、この事実が明らかになったとき、既に地球の環境は小さな変化が積み重なり人類が生きていける状態ではなくなってしまっていた。
 環境の変化を受け入れ環境維持装置を作らずにいたら、今でも人類は環境維持装置に頼ることなく地球に住めていたのかもしれない。
「はい、そこの二人。折角の旅立ちの日だっていうのに暗い顔しないの」
 そんな事を考えると美樹(ミキ)が後から抱きつきながらそう言った。
「まぁ、これから色々な困難があると思うから、地球の事考えている余裕なんてすぐになくなってしまうかもね。今ぐらいは感傷にひたるのもありかもね」
 その事実が判明した数世紀後、人類が新たに住める星を求めて宇宙に旅立とうと考える人が出てきだした。窮屈な生活をするぐらいなら、多少危険でも新たに住める星を探してそこに住みたい、と考える人が出てきだしたのだ。
 そして、半世紀前ぐらいから新たに住める星を求めて宇宙に旅立つ事に一定の安全性が確保できるようになったため、希望者は宇宙へと旅立つことができるようになった。希望者はパイオニアと呼ばれ、私達3人もパイオニアだった。
 ただ、私達3人は他のパイオニア達と少し違うところがあった。
 新たに住める星を求めて宇宙に旅立つ、といってもどこにそのような星があるのかわからないのだ、100年で見つかれば運がいい方だろう。だから、宇宙船の中だけで人類の生命活動を営むことができるようになっている。何万という人がその宇宙船の中で暮らしているのだ。
 でも、私達が乗っている宇宙船には3人しか人はいないし、宇宙船もその人数に応じた大きさになっている。
 理由は簡単、行く星が決まっているからだ。星の場所も着くまでにどのくらいの時間がかかるかもわかっているのだ。
 星に着くまでにかなり時間はかかるけれど、冷凍睡眠をし目覚めたときには目的の星へ着いている、となっているらしい。
 勿論、その星へ向かうのは私たちだけではなく、順番に最大10名のグループに分かれて向かうことになっている。私たちが向かう前にも2つのグループが向かったとの事だ。

――ピピピピピピピ――

宇宙船の中にアラームが鳴り響いた。
「さて、もう時間か。次、目が覚めたら星についているんだよなぁ」
 鈴はそう呟くと彼の冷凍睡眠装置へと向かって歩きだした。
「おやすみ、澪(ミオ)、美樹」
「「おやすみさない、鈴」」
 私と美樹がそう返すと装置の扉を閉め、眠りについた。
「さて、じゃあ、私たちも寝ますか」
 それを確認すると、美樹が両手を頭の上にあげ、軽く伸びをしながらそう言った。
「そうね。おやすみなさい、美樹」
「おやすみさない、澪」
 私と美樹はそう言うと、冷凍睡眠装置へと入り装置の扉を閉めた。
 新しい星への期待と不安を抱えながら私たちは長い眠りについた。


「……おはようございます……」
 寝ぼけ眼でそう言いながら起きたけど、まだ、誰も起きていなかった。
「あれ?……ここ、私の家じゃない?」
 私は何でこんな場所に? まだ上手く動いていない頭を何とか動かして考えると
「あっ……」
 すぐに思い出した。自分の家でないのは当たり前だ。
 寝起きが弱いのは冷凍睡眠からの目覚めでも変わらなかったようだ。
 鈴と美樹に見られなかったことは幸いだった。見られたら絶対にからかわれるところだった。
「冷凍睡眠から目覚めたという事は……」
 宇宙船のハッチにある液晶を確認すると『All Green』となっていて、何も着けずに外に出ても大丈夫のようだ。
「まだ、二人とも寝ているかもしれないけど、先に外に出てもいいよね?」
 震える指で操作盤を操りハッチを開け、外に出た。
「……眩しっ」
 目を開けていられない程の眩しい光がさしていて、思わずそう口に出してしまった。
「・・・・・・うわぁ・・・・・・」
 眩しさに慣れてきてゆっくり目を開いていくと、目の前には見たこともない程豊かな自然が広がっていた。
 ゆっくりと歩き周りを見渡すと、人工的なものは私たちが乗ってきた宇宙船だけだった。
 木々や草花に囲まれた星のようだ。木々や草花に誘われるかのようにゆっくりと歩みを進めると、湖か海のようなものが視界の端に映った。
 正確に調べないとわからないけれど、地球と殆ど変わらない星のようだ。
 こんなダイスの同じ目が10回連続して出るような偶然など、あるはずがない(実際はもっと確率は低いだろうけどそこは突っ込まないように)、と思うところだけれど、実際にこうしてあるのだから事実として認めるしかない。


 暫く周りをふらふらと歩いているうちに風景にどこか違和感を覚えた。
 歩みを止め、その違和感の正体について考えていると、ふとある考えが思い浮かんだ。
 ただ見落としていただけかと思って数分探しながら歩いてみたけれど、やはり見つけることはできなかった。
 そんな事ってありえるのだろうか、などと色々考えながら歩いたせいだろうか
「あれ、宇宙船、どっちだっけ?」
 どうやってここまで来たかわからなくなってしまっていた。所謂、迷子になってしまったようだ。
 どうしよう。どうやら丘へ登る途中の道のようだから、回れ右して下るよりも上りきって上から探してみた方がいいかもしれない。
 道がない道だし、下っても宇宙船が見つかるかわからないし。

 丘の頂上へたどり着いた瞬間、目を開けていられない程の強い風が吹き抜けた。
 風が止み、目を開けたとき私の目に入ったのは、大きな1本の木とその木陰にある白いテーブル1脚と椅子2脚、そして、その椅子に座っている女性だった。
「ようこそ、まだ名もなき星へ」
 私の存在に気がついた彼女は私に手招きをし、彼女の側に行くと開口一番そう言った。
「あの……」
「まぁ、色々聞きたいことはあるだろうけど、長話になるだろうから先ずはそこに座りなさいな」
 そうすすめられたので彼女と向かい合わせに座る。
 私が座ったことを確認すると
「先ずは自己紹介からいきましょうか。私は『カナウ』と呼ばれているわ」
「『カナウ』……」
「ええ、名前はないんだけど。それだと色々不便だからね。まぁ、愛称みたいなものよ。あなたは、澪……でいいのよね?」
「!?……はい」
 自己紹介もしていないのに名前を呼ばれて思わずびくっとなってしまった。
「驚かせてごめんなさいね。私があなたの――あなた達の名前を知っているのは、あなた達がこの星へくるように私が指定したからよ」
「……」
 彼女の突然の言葉に何も言う事ができなかった。でも……
「それ程、驚いていないみたいね」
「いえ、驚いていますよ? でも……」
「でも?」
「何となく、そのような事情があるのではと思っていたから。偶然、地球と殆ど変わらない星を地球にいながら発見することができた、と考えるより、その星の人と何らかの手段で連絡をとることができて、と考える方がまだありえそうだから」
 と、私がそれ程驚いていない理由を説明した。
「でも、暫くこの星を歩いてその考えが間違っていたのかと思いました。この星に木々や草花はあって動物はおろか虫すらいなかったので」
 私がそう言うと、彼女は感心した様子で
「よく気づいたわね。あながの目が覚めたらこの丘にすぐ来るように魂に刻み込んだのに。そういうところが彼に指名された理由かしら」
 微笑みを浮かべそう言った。
「あなたの言うとおり、今、この星にはこの星の生き物は全くいないわ」
「この星の生き物が全くいない、ですか?」
 では、この目の前にいる人は何なのだろうか。
「あなたの言いたいことはわかるわ。言葉で説明するよりも……こうした方が納得しやすいかしら?」
 そう言うと、私の手を取り私の掌を彼女の胸へと押しつけた。
「何を?……えっ、鼓動が全くない?」
 彼女の突然の行動に驚きながらもその事に気がつき、彼女の顔をまじまじと見つめてしまった。
「ええ。私はこの星を管理するために創り出されたの。こうやって人の形をとっているのはあなた達と話がしやすいためにで、本来なら体すらないのよ」
 そう言うと彼女は私の手を離した。
 ん?……何か違和感が……
「本来なら私がこうやって人と接触することはないのだけれど、この星には現状では私しか言葉を解する存在がいないからね」
「えっと、もしかして、カナウさんって……」
「ん?」
「神、なんですか?」
 彼女の言葉を聞いてふと気になったことを聞いてみた。
「そうね……創造神という意味なら『No』だけど、人よりも高位の存在という意味なら『Yes』ね」
 宇宙に行っても見つけることができなかった神がこんなところにいたようだ。
「あなた達をこの星に連れてくるように指示したのが創造神ね。この星と地球を造ったのは同じ神よ。だから、あなたがこの星に何も対処をせずに生きる事ができるし、こうして私とあなたが会話できるんだけどね」
 ため息を吐きながら彼女がそう言った。その一言でさっき感じた違和感の正体に気がついた。
「私とカナウさん、話している言葉が違いますよね? 勝手に翻訳されているのです?」
「気がついていた?」
「いえ、先ほどのカナウさんの言葉でピンと来ました。私が覚えた違和感の正体は聞こえてくる言葉と唇の動きが違ったからみたいですね」
「今までに何人かと会ってきたけど、私から言うまで気づかない人が殆どだったけれどね。勝手に翻訳されているのではなくて、この星の言語が生まれていないからどんな言葉でも通じる、と言った方が正確かしら。星に人――言葉を操る生命体が誕生するまで言語は誕生しないようになっているの。そして、数が増え、生活拠点が広がっていくと言語が分化していって、多くの言語が生まれるわ。そうなると、各言語について学ばないと理解できなくなるけど、偶に例外が発生してね。どんな言語でも2、3日すれば話せるようになる人いなかった? それは最初の言語が1つだけだったから生じる事なんだけれど」
「いました。というか、友人にいます。さらに言えばこの星に来てます」
 彼女の言葉を聞いて美樹の顔が思い浮かんだ。私と同じ年齢にして数多くの言語を話し、読み書きできる天才なのだ。
「その才能を磨いていくとある地点にたどり着く事ができて、今、私とあなたが話しているのと同じ状態になるの。今はずるでこの状態になっているようなものだけれどね。地球以外の星からきている人も多くいるけれど、私と同じように会話をすることができるわ。私の説明が終わった後に会ってみるといいかもね」
「説明ですか?」
「ええ、まだ、私が何故あなた達をここに連れてきたのか、説明していないでしょ?」
「ああ、そうですね」
 わざわざ、別の星から私たちを連れてきたのだから何か理由はあるはず。
「あなたにお願いしたいのはこの星の管理者の1人になって欲しいの。簡単に言えば、この星の神になって欲しいの」
「は、はい?」
 凄い発言が飛び出し思わずそんな言葉が口から出た。
「本来、私以外の管理人はこの星の人がなったり、人の願いや感情などから生まれる存在――八百万の神や妖怪のような存在ね――がなるんだけど、何を考えたのか創造神が管理者の一部を別の星から連れてきた魂に任せるとか言い出してね」
「はぁ……」
「他にもこの星の魂の他に別の星の魂もこの星の住人にする、とか言ってね。もし、神になることを断ってもこの星の住人になってもらうのだけど」
「管理人って実際にどういう事をするのですか?」
 混乱しかけた頭を無理矢理落ち着けそう彼女に聞く。それを聞かないと判断しようがない。
「それなんだけどあなたに任せる事の都合上、具体的な事は言えないのよ。基本的に他の管理人と違って人と暮らしてもらうことにはなるのだけれど」
「ということは、表面上は管理人になるのとならないのとで違いはないのですか?」
「表面上は、ね」
 彼女はどこか申し訳なさそうに言った。
 具体的には何をするかは言えないけどこの会社で働いてくれないか、と言っている様なものだ、無茶苦茶な事を言っているからそんな感じになっているのだろう。
「いいですよ」
 私はそう即答した。
「えっ? いいの?」
「はい。と言いますか、私には本当に選択権、あるのですか?」
 表面上は管理人になるのとならないのとで違いはない。ならば、私が断ってもそれを受け入れずに私に秘密で管理者にしても然程問題はないはずだ。
「あー気づいてしまってたのね。その通りよ。あなたに任せることは誰でもできるものではないし、寧ろ、この星に連れてきた人の中にはあなたにしか任せられないことでね」
 はは、と渇いた笑いをしながら彼女はそう言った。
「なら、自ら受け入れたほうがマシというものです」
「了解」
 私達は微笑みを浮かべながらそう言った。
「これで私への説明は終わりですか?」
「そうね。申し訳ないけどこれ以上は説明できないわ」
「では、私はどこに行けばいいのですか?」
 椅子から立ち上がりながらそう聞くと
「その前に何かやりたいことはないかしら?」
「やりたいことですか?」
 そんな事を言ってきた。
「ええ、色々準備があるから暫く何をしても自由なんだけれど、魂だけになってもらうからね。そうしないと食料とかの問題が、ね」
「体がなくなる前に何かしたい事があれば、という事ですか」
「ええ、何かある?」
「そうですね……」
 暫く考えて
「そうだ。湖……海でもいいですけど、近くにあります?」
「ええ、大きな湖があるけれど」
「その場所、教えてくれません?」
「いいけれど、何をするの?」
「それは……」


「何をするかと思えば……」
 場所を教えるだけでなく連れてきてくれた彼女がそう言った。
「おかしいですか?」
 脱いだ服を畳みながら私はそう返した。
「いえ、そういえば、地球では日の光を浴びながら泳ぐなんてできなくなって久しいのだったわね」
 そう、私のやりたいことは日の光を浴びながらおもいっきり泳ぎたい、という事だった。
「私、こう見えて。水泳の選手でして……」
 そう言いながら準備体操をする。
「全裸で準備体操をしているのを見ると滑稽ね」
 私の今の様子を冷静に分析してそう言うカナウさん。
「それは禁句です。水着なんて持ってきていないですし、服を着たまま泳ぐというのも嫌ですし……っと、では、泳ぎに行ってきますね」
 私はそう言い残すと湖へと飛び込んだ。

 暫く沖の方へと泳ぎ、それから深く水中へと潜る。
 数メートル潜ったところで仰向けの状態になり、水面を見上げる。
「ああ、人工の光でも綺麗だったけど、日の光だとこんなに綺麗なんだ」
 昔の地球では当たり前に見ることができた光景なのに、今の地球では私のように他の星へと行かないと見れない光景。
 私はその光景を愛しい思いで見つめながら泳ぎ続けた。


「もう、いいの?」
 私が湖からあがってくると彼女がそう言いながら近づいてきた。
「はい。名残惜しい気持ちもあるけど、冷凍睡眠から覚めたばかりだからか体力の方が」
 私は少し息切れを起こしながらそう言った。
 あ、どうやって体乾かそうか……すっかりそれが抜けていた。
「では、乾かすわよ」
 彼女がそう言うと、心地よい暖かさの風が吹き、私の体についていた水滴を吹き飛ばしていった。
「ありがとうございます。今のは?」
「魔法よ」
「魔法!」
 魔法という言葉に思わず反応をしてしまった。
「ええ、地球では魔法は発達しなかったみたいだけれど、魔法が発達した星はあるし、この星がそうなる可能性もあるわ」
「へぇ、そうなんですか。この星がどうなるかはわからないのですね」
「ええ、それは今後のこの星の人やあなた達管理人次第ね」
「なるほど」
 そんな会話をしている間に服を着終えた。
 泳いだ後の心地よい疲れが体に残っていた。この感覚も懐かしく感じる。


「ここを超えたら自然と魂が体から離れるわ」
「はい、ありがとうございました」
 私のその言葉に彼女は微苦笑を浮かべ
「感謝をするのは私のほうよ。これから色々あるだろうけど、元気でね」
 と、言った。
「又、会えますかね?」
「機会があればね。一応は同じ管理人なのだし」
「はい。では、さようなら」
 私はそう言うと何のためらいもなく前へと歩き出した。



「ふぅ……一番、難しいと思っていた子が上手く言ったわね」
 澪……か、少し変わった子だったわね。
 彼女の顔を思い浮かべながらそんな事を考えた。
 さて、次の人、呼ばなきゃね。まだまだ、説明しなければいけない人はいる。
 休んでいる時間はない。
 そんな事を考えていると
「あのぅ、ここはどこですか?」
 と、背後からそんな言葉が聞こえてきた。
 早速次の人がきた、そう思って振り返ると
「!?……あなたの名前は?」
 彼からもらったリストにいない子だ。
「あっ、標衣 (コズエ)といいます。いつの間にかこんなところにいて……確か、私は死んだはずで……とうことはここは天国ですか?地獄には見えないし」
 標衣と名乗った子は続けてそう言った。
 彼からもらったリストにない。そして、ここがどこかもわかっていない。
 迷い込んできた? そんなことはありえない。彼がそんなミスをすることは絶対にない。
 この星に連れてくるつもりだったけど意図的にこの子をリストから外した。それなのにこの星に着いている?
「あ、あの……」
 思わず彼女の事をじっと見てしまう。
 ん? まさかこの子……うん、間違いない。既に体がない。そして、驚くことに澪と全く魂が同じだ。
 こんな事は普通はありえない。双子でも魂が同じになうことはない。
 澪がこの星にきて、標衣の魂がここに引き寄せられてきたのだろう。
 もし、標衣が死んでなかったら引き寄せられる事はなかったはずだけど、丁度、死んだ。
 偶然のはずがない。彼が仕組んだ事なのだろう。
 何を考えているのやら。
 そっとため息をこぼし
「そうね、ここは天国よ。向こうに向かいなさい。あなたの他にも沢山の魂があるわ」
 私は標衣にそう言った。
 私が説明するように頼まれたのはリストに載っている人だけ。彼女に説明をする義務もなければ権利もない。
「そこで何をしていれば?」
「転生のときがくるまで好きにしていていいわよ」
「分りました。ありがとうございました」
 彼女はそう言うと向こうへと歩き始めた。

「どういう星にしようとしているのか、全く検討がつかないわね」
 ため息をひとつこぼし、次の人が到着するまで考えても仕方がないことを色々考えていた。



《 Pioneer 了 》



【 あとがき 】
 前回までと違う話に見せかけて関係のある話でござるの巻
 本当は全く別の話を書くか、澪や美樹、鈴を登場させても、前回までのと関係ある話だと全く匂わせない話にする予定だったのですがそんな事できなかったorz
 書き上げるまでは関係ある話だとあとがきでバラす気はなかったのだけれど、開きあがった話を読み直すと、バラさなきゃ意味が分らない状態。
 寧ろ、バラしても意味が分らない状態ですね
 あっ、やっと鈴の名前を出すことができた
 次回からは別に話にできるといいなぁ(何も思い浮かばなかったら同じ世界の話で逃げるけどなー)


『 忘れられた丘 』 知

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