Mistery Circle

2017-05

《 さよなら ギターマン 》 - 2012.03.01 Thu

《 さよなら ギターマン 》

 著者:すずはらなずな





「上京を先に言いだしたのがどちらだったかなんて もう覚えちゃいなかったし、本当はどっちだって良かった」
話しかけたのは僕の方だったくせに 相手の口から言葉が出たことに心底驚いた。このひとが自分のことを僕たち相手に話し出すなんて 想像さえしなかった。動揺を隠し先を促す。
「あのギターって その頃からのですか?」

段ボールと板の壁、ブルーシートの天井 少しだけの「家財道具」の後ろ、薄汚れたハードケースに入ったそのギターはある。
「ギターマン」、いや 新谷さんはまぶしいものを見るように目を細め、ギターケースに目をやった。
「一緒にバンド組んでたヤツが置いて行った。もっと話をしてたら、あんな気まずい離れ方をしなかったら、きっと…」
新谷さんはうつむいたまま言った。最後の言葉は消え入るみたいだった。
「もう どこにもいない」



バイト先のコンビニは 公園の傍にある。ちょっと名の知れた大きな公園で 桜の時期は花見の客でにぎわうところだ。そしてその隅の植え込みに段ボールやビニールシートで覆われた新谷さんたちの「家」はあった。

そしてそのコンビニの駐車場にしゃがんでいるいつもの面々の中に、良介はいた。店長はそんなメンバーをひとくくりに「ヤンキー」と呼んでいた。
「お、ヒッキーやん。久しぶりっ」
なぜか関西弁まじりで喋り、笑うと妙に人懐こい顔になるこの男は小中一緒だったヤツだ。いつからか僕の苗字の「引田」をもじって勝手にヒッキーと呼んだ。「ヒキコモリのヒッキー」。

新しい友達を上手く作れず 無口な学校生活を送っていた僕に 良介だけは平気で話しかけてきた。
悪意を感じるからかいを受けている時 「コイツをイジっていいのはオレだけや」、意味不明なことを言いながら蹴散らしてくれた。そのありがたさに気がついたのは 残念なことに最近なのだけれど。

消費期限の切れたお弁当を廃棄に出そうと外に出た時、口を出してきたのが良介だった。「久しぶり」と言う程会ってない気はしなかったが そういえば中学の半ばから学校に来ない日も多く、高校は進学したと聞いたがすぐに辞めたらしいと噂は聞いていた。
「レンさんたちが取りに来るから ここの棚に置いとけ。前のバイト、オマエに引き継ぎせんかったんやな」
聞いてなかった。「レンさんたち」というのがどうやら 公園暮らしのひとたちらしいことは 何となくわかった。


新谷さんとのかかわりは それより少し後になる。
お弁当を「引き取り」に来るのはいつも代表の「蓮さん」だったからだ。
蓮さんとも結構長い間会話もなかったが、目礼するようになり 少しずつあいさつするようになり 時々話をするようになった。『面倒くせー』が口癖のくせに、聞けば色々教えてくれるし、仲間内でもたよりにされていて 世話焼きでもある。

降り出した雨に文句を言いながら バイトを終えて帰ろうとした時 傷だらけの良介が店の壁に寄り掛かっているのを見つけた。寝てる?一瞬思ったがぐったりした様子にも見える。服の汚れと髪の乱れ、よく見ると顔の傷に血がにじんでいるようだ。覆いかぶさるように大きな黒い箱のようなものを抱えていた。
「な、何?どうした?」
近づいて しゃがみ込む。生きてるよな?
心臓がドクンドクンいう。握った手にじっとり汗がにじむ。
「うーん、ヒッキーかぁ、ちょうどいい」
何が ちょうどいいんだ?
「何しでかした?その箱は何?」
良介は起き上がるどころか そのままズズっと地面に倒れ込み
「あー 寝っころがった方が気持ちいいや、お、飛行機雲」
あるわけがない。雨の降り出した空は重いグレーの雲で覆われていた。
血がにじむ頬と手は、明らかに普通じゃない。だけどその、のんきな物言いと穏やかな表情に それでも何だか少しほっとした。

「まず、『大丈夫?』とかちゃうん?」
「だ、だって…大丈夫じゃなさそうだ」
「へへ、大丈夫やし。アイツらから『ギターマン』のギター守った」

時々 いててと顔ををゆがめながら 良介が話し出す。昨夜そのギターを公園の「家」から盗み出したヤツらがいたという。
「あんなん、仲間ちゃうし」
良介は吐き捨てるように言った。
「こいつは『ギターマン』のもんや。遊び半分で他人の大事なものを盗むなんて オレには我慢できん」
持っていた鞄から探し出して濡らして来たハンカチを手渡すと、良介はすり傷を押さえながらぽつりぽつりと事の経緯を教えてくれた。
正義漢。言ったら本人は怒るだろうけど、良介ってこういうヤツだ。口元が緩んだ。

「ギ、『ギターマン』って…『ギタリスト』じゃなく?」
「突っ込むとこ、そこかい」
やっと良介が笑う。唇の横の擦り傷が痛々しかった。
「弾くのなんて見たことないしな。ギター持ってる男だから『ギターマン』、そんなとこ」
「ギター持ってる?そ、そんな人いたんだ」
「うん、オレもたまたま知った。公園でヒマつぶしてた時 蓮さんと一緒にいてな」
そんな話をしていると 道路を渡って 蓮さんと背の高い男の人がこちらに向かってきた。
「おう、派手にやられたなぁ」
蓮さんが前歯の抜けた口を開けてカラカラ笑う。
「やられたんちゃうし」
「ほれ 『ギターマン』連れてきたぞ」
蓮さんに促され 後ろに立っていたその人が一歩前に出て良介の前にしゃがむ。そっとギターケースに触れた手は意外なほど繊細な印象だ。
「守ってくれてありがとう」
深みのある響く声で その人はそう言った。ウェーブのかかった長い前髪の隙間から 静かで寂しげな眼が見えた。
「新谷さんの大事なものに手ぇ出すなんて ふざけた奴らだよな、本当に」
蓮さんが本気で怒った声を出す。

いてて・・とまた声に出しながら良介は起き上がり
「で、さぁ」
おもむろに切り出すと 新谷さんに向かって意外なことを続けて言った。
「身体張ってギター守った そのお礼なんですけどね、」
何を言い出すんだ。一瞬みんなの視線が良介に集まる。

「オレに教えてくれへん?…ギター」



その日から約束どおり新谷さんは良介にギターを教えてくれるようになった。少し暖かくなってきたとはいえまだ肌寒い公園のベンチで いつも新谷さんは待っていてくれる。良介は お兄さんが以前にくれたというギターを抱えてやって来る。
「いっそお兄さんに教えて貰えば良かったのに」
言ってから、しまった、思った。

良介の家は開業医で、7歳上のお兄さんは小さいころから優秀で有名だった。難関中学に入学しトップクラスを維持しながら軽音楽部でバンドを組んでいたと聞く。そのお兄さんを良介がいつも複雑な想いで見ていたことを薄々知っていたからだ。
「あいつの教え方は理屈っぽすぎんねん。何でもお勉強みたいに説明されちゃ たまらんし」
C、G、F、と新谷さんに教えてもらった基本のコードを鳴らしながら言う良介の表情は意外とすっきりしたものだ。もしかしたらずっとこうして ギターを弾いてみたかったのかもしれない。Fの音がちゃんと出るまで 良介は黙々と繰り返し練習する。横顔が真剣だ。

「に しても うるせーなぁ」
横で練習の様子を黙って見ていた蓮さんが 工事の始まったエリアを見やりながら 吐き捨てるように呟いた。

公園に工事の車両が入り出し やたらと「平和」や「自然」を意識したようなカラフルなイラスト入りの囲いが造られ始めたのは 数日前のことだ。
お弁当を受け取りに来る蓮さんも、考えてみれば数か月前から何だか浮かない顔をしていた。
「花見の時期に向け 公園を『きれいで安全』な場所にしたいんだと。」
皆の行き先を探さにゃならんしな、もうちょっと待って欲しいとか 色々交渉にも行ったんだがな…蓮さんが短いタバコを咥えながら残念そうに言う。

「無理やり追い出されるん?皆これからどうするん?」
「それぞれ ちゃんと考えてるさ。頼むからお前 勝手に暴れたりすんなよ」
「暴れるなんて、オレは別に…」
良介がちょっとうろたえる。
「例のギター盗んだ馬鹿どもが、『支援団体』とかいうヤツらとつるんで何かやらかすつもりだったらしくてな。」
蓮さんは苦いものでも食べたような顔をして 吐きだした煙を見つめながら続けた。
「お祭りじゃねぇんだ。何がオレたちためだ」



コンビニに珍しい客が来た。

良介のお兄さん、「棚橋医院の若先生」だ。良介とよく似た目鼻立に、人の顔を覚えるのが苦手な僕でさえ気が付いた。
「○○円のお買い上げになります」
レジを打ち声を掛けたが ガラス越しに見える駐車場に視線が向いたままだ。
「あの…?」
「ああ、すみません。あれ、いつもここでやってるんでしょうか?」
飲料代の小銭を台に置きながら 外を見たまま彼は言い
「弟なんです…ご迷惑をおかけしているんではありませんか」

「公園の工事の音が大きすぎてよく聞こえないからって。ここに来るのは今日が初めてです。良介…棚橋君、ギター教えてもらっているんです、あちらは…新谷さんって方で…」
どう説明していいのか解らなかったけれど 勢いで続けた。「ご迷惑」の言葉を打ち消したくて 自分でも驚くくらい強い声が出た。

「た、棚橋君は何も悪くなんかないです。し、新谷さんも蓮さんも、凄くいいひと達なんです。新谷さんはギターが上手で教え方だって…」
息切れして言葉が続かなくなった。一体何を言ってるんだ。何だか泣きそうになる。
「お、教え方だって、教え方だって 丁寧で…」
言葉がうまく出ないまま喋り続けた。僕が一息つくと 困ったような顔で見ていた「若先生」の表情が緩んで 穏やかな笑みがこぼれた。
「ありがとう。良介はいい友達がいるんだ。安心しました」
これからも宜しく、そう言って「若先生」はドアの方に向い ドア越しに良介たちを眺め もう一度振り返ると 問いかけた。
「あの人…あのギターの先生、『シンタニさん』って…?」

まさかね、と呟きながら「若先生」はもう一度扉のガラス越しに新谷さんを見ている。何を気にしているのか測りかねていると 彼は振り返って言った。
「以前 好きだったミュージシャンに『新谷』って人がいてね、グループを解散してその後は行方が解らないままなんだ」
そのひとの創る楽曲の奇麗なメロディと独特のハーモニー、繊細な歌詞が とても好きだったんだ、と「若先生」は言い
「言い方からして何だか古臭いよね?」とテレくさそうに笑い
「僕が音楽やってたことだって もう随分過去の話になってまったからなぁ」
そう言ってこちらを向いて会釈し、何に対してかもう一度「有難う」と言って良介のお兄さんは帰って行った。



診察室に乗りこんで その部屋の鍵を「若先生」から受け取るまでの良介の勢いは 驚くべきものだった。
「ヒッキー ついて来い」
「若先生」の唐突な思い出話のことを伝えると 良介はいきなり僕を引っ張って走り出した。診察時間で患者さんがいることも気にせず 良介はお兄さんに詰め寄り「その部屋」を開けることを求めたのだ。

若先生が引き出しの奥の小箱から出した鍵で開けた 離れの2階の奥の部屋は 重たそうなカーテンが掛けられ 目が慣れるまでどんな部屋なのか全く解らなかった。
「な、何?何の部屋?」
「墓場…やな。あいつが封印したあいつの大事な…」
「だ、大事な?」
カーテンを開けるとほこりの匂いがした。目に入ったのはドラムやシンセサイザー、アンプ、棚には沢山の古いCDと本。天井や壁には様々なミュージシャンのポスターが貼られていた。
「初めて引田見た時、この部屋を思い出した。何かよう解らんけど この部屋、思い出した」
良介は僕を正面から見て言う。
「大事なもの好きなものをいっぱい持ってるくせに カーテン締めて鍵掛けて 誰にも見せんと 忘れたふりして」
シンバルの上のほこりをぬぐう。かすかな音を聞き分けるように良介は少しの間の黙っていたが 急に顔を上げると 
「探そう、ヒッキー。新谷さんとギターの元の持ち主、きっといる」
棚のCDに手を掛けた。

コトン、ドアの音に気付いて振り返ると若先生が立っていた。
『新谷さん』のバンドのCDならこれとそれ、あの音楽雑誌のここに記事、と何年も封印して顧みもしなかったとは思えないくらいすらすらと あれこれ出してきてくれた。
僕がじっと顔を見ているのに気づき、若先生はテレたように言った。
「どこに何があるかも CDのどんな曲も 好きだった物って、結局忘れたりなんかしないもんだね」
いつまで遊んでいる気かと 医院を継ぐ気はあるのかと お父さんから言われて、自からこの部屋を閉じたのだ、若先生は大きなため息の後、説明してくれた。そうやって閉じたのは部屋だけじゃなく 若先生の大事な時間、言葉にするとあまりに気恥かしいけど「青春」ってヤツなんだろうな、そんな気がした。

3人して『新谷さん』を確認する。間違いない、あのひと「ギターマン」だ。
「路上から ライブハウス、ずっと見守っているファンも多かったのに」
若先生が言う。それはきっと自分自身のことだ。
「大手と契約して他人の作った歌で売れた。今このバンド名を言うとこの歌 思い出す人は多いかもしれない」
「新谷さんには不本意な結果ってことなん?」
「い、嫌な思い出ってことですか?」
そうだなぁ・・・若先生は首を横に振り 周囲には解らないことってあるしな、と言った。こんなものもある、と投げ捨てるように出した古い雑誌類には 小さな囲み記事で 幼馴染と作ったバンドでメジャーデビューした新谷さんたちの紹介があった。そしてもう少し新しい雑誌には「2曲目が売れず解散した」と書かれたものもあった。

若先生が仕事で部屋を離れた後も 僕と良介は残ってCDを聴いていた。
雑誌を手に取って目を通す僕と違い 良介は1冊表紙を見ただけで放り出した。
「バカバカしいやん。こんな記事。新谷さんが本当はどんな気持ちだったかとか ちっとも伝わって来ん」
…そうなんだけど、それは解っているんだけど、と僕は返事する。
それでも こんな閉ざされた部屋や押し込められた若先生の思い出の中に あの公園の住人、寡黙な「ギターマン」がずっと居た。何だか僕たちが来るのを待っていたような気がした。押し開ける人を欲っしていたような気がした。
良介は考え込んでいる様子で窓の外を眺めている。広い敷地の立派な庭の片隅で、白い梅の花が咲いているのが見える。
不本意だったという 歌謡曲風のその1曲を聴いた後 もう一枚古いCDを入れ替えた。「メジャーデビュー」以前の新谷さんたちのCDだ。

「苦い思い出かもしれん。誰にも触れて欲しくないと思ってるかもしれん。
だけどオレ、新谷さんにこのCDみたいな歌、歌って欲しい。今ものすごくそう思う」
そんな話を切り出すことで 取り返しできない程彼を傷つけるかもしれない。良介が投げ出した雑誌にはバンドの解散の経緯、音楽活動の方向性の不一致による喧嘩 メンバーの不仲と 新谷さんの幼馴染の、自殺についての記事があった。



工事の音が響く公園の片隅で 僕と良介は蓮さんと会っていた。もうすぐ新谷さんが来る。
「そっか、歌、聴いたか」
蓮さんはさほど驚いた風でもなく僕たちの話を聴いた。
「知ってたん?」
「うん、オレぁ『以前』のファンだし」
メジャーで出したあの曲で新谷さん達のファンになった人を それ以前から応援してきたファンは区別した。それでも一体になって応援できなかったことを 若先生は悔いていた。蓮さんのさっきの言い方にもどこか自嘲的な気持ちが入っているように思える。
持ち出したレコーダーでCDを掛け、3人で黙って聴いた。
曲の合間、音が途切れた時 後ろでカサリと草を踏む音がして 気が付いたら新谷さんが立ち尽くしていた。



問いかけに答えて 新谷さんが話し出したのは 3枚目のCDを入れ替えた時だ。口数は少なかったが 今まで自分たちの歌を歌ってきた彼らが 与えられた他の作曲家の歌を歌い それが代表曲のようになってしまったこと、それが 僕らの想像を超えて新谷さんたちに重いものを背負わせたことは 伝わってきた。誰も何も言えなかった。

「誰のせいなんてこと ないのは解っていた」
だけど やり場のない怒りで お互いを傷つけた。いつも前向きで明るい幼馴染、やってみなきゃ解らないよと ずっと背中を押してきた彼を そもそも間違っていたように責めた。
「それでも あいつは笑っていたんだ。ちょっと困った顔をして」
なのに 命を絶った。傷ついていたんだ。それは皆同じ。

「ちゃんと解散ライブをしてケリつけるつもりだったし 感謝と変わらない気持ちを込めた歌も創りかけていたのに」
何もできず いきなり終わった。
「応援してくれた皆と 一緒にやってきた あいつや他のメンバーへ向けて
伝えたいことは沢山あった。それを最後の歌に託そうと思ってた」
そのひとはその歌を知らずに逝ってしまったんだ。
胸の辺りが苦しくて声が出ない。掛けるべき言葉が何も見つからない。

長い沈黙を破り 良介が言った。
「その歌って、完成してるん?できてるんなら聴かせてや。オレ一緒に歌いたい。練習するから オレ マジ練習するから」
工事の音はすぐ近くまできている。どんな音にも負けないくらい良介ははっきり言い切った。
僕らがここに居られる時間も もう少ししかなかった。




ひとが集まって来る。桜のつぼみはまだ固く風はまだ冷たい。

工事関係者 市の職員、警察官。支援だ何だといいながらひっかき回しに来た輩。報道に見物人。面白がっているだけの「ヤンキー」たち。
今日「家」がすべて撤去される。
「オレたちのさよならライブにようこそ、や」
蓮さんがひときわ大きく叫ぶ。

昨日皆の行き先を聞いた。蓮さんは大阪に帰ってみることにした、と言った。
「ええ?蓮さん関西人やったん?」
良介が驚いた声を出した。
「いっぺん言うたろと思ってたんや。オマエのエセ関西弁 気色悪うてかなん。ずっと思てた」
そう言いながら大口開けて笑う蓮さんに 背中をたたかれ良介が頭をかく。
「何が気に食わんのか、誰に反発してんのか知らんけど。お前は凄いねんぞ。いいヤツやねんぞ。オレが保証する。しっかり自分を生きろ」
蓮さんに褒められて良介は素直に嬉しそうな顔をした。
「自信持て、大丈夫だから」
蓮さんは今度は僕を見て そう言った。


僕ら誰もがそれぞれの部屋を閉ざしていたんだ。
目をつぶって 僕は息を深く吸い込む。心の中 締めきった部屋、遮光カーテンの隙間から、暖かな春の日差しが漏れてくる。
歩み寄ってカーテンを開けよう。部屋に今光が満ちる。重い窓を開けると、春の風に乗り 桜の花びらが舞い込んだ。
新谷さんと良介の歌声に そんな映像が重なる。

歌声はきっと天にだって届く。



《 さよなら ギターマン 了 》



【 あとがき 】
とあるグループが頭にあります。でも時代背景がちょっと古くなると 主人公が幾つなのか設定できなくなりました。
色々勉強不足です。今もの凄い勢いで仕上げました。
きっと後で後悔するなぁ。

【 その他私信 】
今回はもう出さずに終わろうかと ついさっきまで思っておりました(+_+) 春ですねー。卒業シーズン。


『 STAND BY ME 』 すずはらなずな

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