Mistery Circle

2017-07

《 セピア 》 - 2012.01.31 Tue

《 セピア 》

著者:辻マリ




彼女の口調ははるかにやわらかく、やさしみを帯びていた。
背中を向けた窓から午後の日差しが差し込み、その表情を逆光で隠す。
ほんの少し、光でブラウスが透けて、痩せた肩のラインが見て取れる。
時計の針の音が、やけに大きく聞こえた。






肖像画を描いて欲しいという依頼を受けた。
これといって大々的な宣伝もしていない個人経営のアトリエに、依頼主本人から電話が有ったのが、5月。
生憎、私はその時外出していた為、留守番電話にメッセージが残っていた。
最初のメッセージは、連絡を取りたいという手短な用件、依頼主の名前、電話番号。
これだけである。
アトリエの連絡先自体は電話帳に載っているから、最初はもしかすると詐欺や悪戯かもしれないと半信半疑で電話をかけた。
指定された携帯電話を呼び出すと、4コールで相手に繋がる。
「―もしもし?」
電話に出たのは、留守番電話のメッセージと同じ声の人物だった。
そこから互いの挨拶に始まり、電話だけでの連絡のやり取りと正式な依頼が有り、依頼主に実際に会う約束が決まったのが、6月。
随分のんびり進む話だと我ながら思うが、依頼主の方が多忙なのだからこれは仕方無い。
私の仕事は半ば自由業のようなものだし、依頼を受けた側として、相手の都合に合わせるくらいのサービス精神は持ち合わせてしかるべきだ。
しかし、依頼は受けたものの不安な点は有る。
普段の私が主に手がける仕事は雑誌のイラストばかりで、どちらかと言うとコミカルな、デフォルメを強調した作品が多い。
展覧会などに出展するほど規模の大きい作品は学生時代に手掛けたきりで、その作品にしても、写実とはやや遠い方向性の物であるし、実際の所写実的な作品を手掛けるのはどちらかと言うと不得手の部類になる。
微細なデッサンをしていないわけではないが、それで評価を得ているわけではない。
それなのに何故私を選んでくれたのか、其処が不可解で、不安な点だった。
私自身の主義で、仕事は基本的に完成させてから報酬を貰うようになっている。
完成した作品が相手に満足して貰えなかったらどうしよう、と不安に駆られ胃の辺りを押さえながら、私はその日、依頼主との待ち合わせ場所へと向かった。







私は、次第に痛みの自覚症状さえ出てきたような気がする鳩尾近くを手で擦りながら溜息をつく。
待ち合わせ場所で待っていたのは、絵に描いたような「品の良い老紳士」だった。
もうそれこそ、騙されてるんじゃないだろうかと言う疑念を抱かずには居られないほど、完璧な老紳士である。
待ち合わせ場所は依頼主の自宅との事だったが、これがまた閑静な住宅地に建つ、風格というか上流階級の生活感とも呼べそうな気配を感じる造りの屋敷だったものだから、一瞬本気で何かの間違いでは無いだろうかと考えた。
先日暇潰し目的で覗いた匿名掲示板に投稿されていた奇妙な話が頭をよぎる。
理想の恋人に巡り会いその家族との交流の末、全てが泡沫の幻と消えてしまったと言う怪異譚だ。
まさかそれでは無いだろうなと疑念を抱きつつ、私は今現在、屋敷の居間で、座り心地の良いソファに腰を下ろしている。
向かい側には穏やかな表情でこちらを見ている老紳士。
私の父親と同世代か、少し年上だろうか?
身なりがしっかりと整えられているので、実際の年齢よりも若く見えているかもしれない。
思わず値踏みするような視線を向けてしまったが、彼は気にした様子もなく笑い、挨拶を始めた。
「今日はわざわざ足を運んでいただいて、有難うございます」
にこやかに会釈する姿に、どうにも申し訳無い気分になってしまい、私も頭を下げる。
「いえ、お声を掛けていただきまして、こちらこそ有難うございます」
もう少しかしこまった言葉を使うべきか、それとも謙る態度は良くないと開き直るべきか、一瞬だけ迷う。
彼のような人物とまともに対峙した経験は殆ど無い。
無名の作家だと見下されたり、初対面でありながら友人感覚のような横柄さで接して来られたりはあったのだが、こう丁寧に対応されると、つい戸惑ってしまう。
そんな内心の葛藤を察しているのかいないのか、向かい側の紳士は穏やかな表情を崩さず、こちらを見ている。
「その、肖像画を描いて欲しい、と言うのは・・・?」
沈黙するのが嫌で、私は自ら進んで依頼の話を切り出す。
間が持たないから早く本題に入りたい、というよりは、さっさと依頼を受けてこの快適なようでいて居心地の悪い空間から立ち去ってしまいたかったのだろう。ばっさりと断言も出来ないのだが、どちらかと言うとそういう心境だった。
私からの問い掛けに、彼はわずかに目を細めて答える。
「妻の肖像画を、描いて頂きたいのです」
お決まりのような、ある程度は予想していた回答だった。
その回答の後に続く言葉も、まるで日常を描く群像劇の一幕のような展開を見せる。
日限は特に設けない事、当然だが裸婦像ではない事、絵を描く場は用意するので絵を描く間はこの屋敷に通ってもらいたいという事、全て伝えられ、私は手元のメモ帳にそれらを書き記していく。
「本来なら、妻と並んで挨拶しなければいけないのですが、生憎、今日は所用で外出してましてね」
老紳士が頭を下げて謝るのを苦笑いで制し、私は依頼内容と、今月のスケジュールを照らし合わせた。
他の仕事との兼ね合いを考えると、どうしても来られない日が数日有るので、それだけは依頼主に伝えておかなければいけない。
伝えると、老紳士は穏やかな表情のまま、来られない日は前日か、その日の朝にでも連絡してくれれば良いと言ってくれた。
優しい人物だ。いや、優しいと言うよりは、甘い。
私が今までこなしてきた仕事の、どの依頼主よりも他者に対して甘い態度の人間である。
外面だけか、それとも芯からこう言う人間なのか。
この人物の妻だという、肖像画の被写体に、ほんの少しだけだが興味が湧いて来た。








翌日、打ち合わせた予定通り、私はもう一度屋敷を訪れた。
季節は春を通り過ぎ、夏に入ろうとしている。
強い日差しの中、画材を抱えて緩やかな坂を上ると、昨日の記憶と同じ場所に屋敷が見えた。
とりあえず、化かされているわけでは無いらしい。
呼び鈴を鳴らすと、インターフォンが通話状態になり、中から声が聞こえてきた。
『―どちら様ですか?』
女性の声。
涼しげな、しかし若々しくは無い、中年の域はとうに越えているだろう女性の声だった。
もしかして、老紳士の奥方だろうか。
名前を名乗り、門をくぐると、玄関の扉が開く。
歩み寄ると、半分開いた扉の奥に、白銀の髪を結い上げた女性が立っていた。
派手では無いが、使用人がするような格好でもない。一目見ただけで仕立ての良さが見て取れるブラウスに、落ち着いた色合いのロングスカートを履いている。
女性は、私が完全に扉を開くのを待ってから、にっこりと微笑む。
「いらっしゃい。お待ちしてました」
インターフォンの声の主は、小柄だが姿勢が良い、穏やかな笑顔の老婦人だった。
「あ・・・どうも」
思わず頭を下げてから、玄関の中へと入る。
「改めて御挨拶させていただきます。この度、肖像画の依頼を賜りました、マクベと申します」
画材を足元に一度下ろしてから挨拶すると、向かい合う彼女が会釈を返してきた。
「初めまして。あなたが、私の絵を描いてくださるという先生ね」
先生と言うほど偉くないが、否定するのも妙なので曖昧に笑い返す。
件の肖像画の被写体は、依頼主である老紳士に良くお似合いのご婦人だった。
彼女はにこやかに私を屋敷へと招き入れ、静かな足取りで先導し、家の中、昨日通された応接室では無い、別の部屋へと案内するように歩く。
私はその後ろを、彼女の歩幅に合わせながらゆっくりと屋敷の中を歩く事にした。
昨日初めて訪れた時にも感じた事だが、本当に広い。そして、綺麗な屋敷だ。
モデルルームのようなお飾りの気配も無く、訳ありの住宅のような暗い陰も感じない、穏やかで幸せな時間を送ってきた家なのだと分かる空気で満ちている。
だからこそ、私のような庶民からすると、ほんの少しの居心地の悪さを感じてしまう。そういう空間なのだろう、ここは。
作業用にあてがわれた部屋へ案内する途中、壁や建具に目をやる私の顔を、老婦人が覗き込んできた。
「マクベさん、大きなお屋敷は苦手かしら?」
にっこり微笑んでこちらの思考を見透かしてきた婦人に曖昧な返事を返すと、私の顔を覗くのをやめ、背中を向けてから彼女は小さく呟く。
「私もよ」
「え?」
柔らかな口調だが、ほんの一瞬突き放すような嘲るような尖った響きが言葉に混ざりこむ。
問い返そうと思ったが、彼女は私の顔を振り向いたりはせず、先を歩いていく。
平穏と言う空気で満ちたこの屋敷の中に、一瞬だけ小さな陰りを見つけたような気がした。








案内されたのは、昨日の応接室よりも少し狭い(それでも、一般庶民の感覚で言えば充分広い)、屋敷の二階にある一室だった。
小さな丸いテーブルと椅子が2脚に、華奢なカップやグラスの飾られた棚と、壁に掛けられた時計がある以外は、これといった家財道具の無い、何の為に使う部屋だろうかと思案してしまう内装である。
「娘が子供の頃使ってた部屋よ。今は、作業に集中したい時に使う部屋にしているの」
出窓に掛けられていた薄いカーテンを引きながら説明してくれる婦人の言葉に、私はふと部屋の床を見て、そこにわずかに残っている家具の日焼け跡に、ああなるほどと一人納得した。
老夫婦なのだから、子供が居ても別におかしくは無い。そして、その子供が諸事情により今はこの屋敷に住んでいなくてもなんら不思議では無い。
深く詮索はしないように決めた私は、では早速とスケッチブックを開く。
いきなりキャンバスを組み立てて絵に取り組むのではなく、まずはスケッチブックで2,3枚習作に取り掛かり、モデルの描き方を自分に馴染ませてから、キャンバスでの作業に移るのが、何時もの私の手法と言うか、絵を描くための儀式だった。
「それじゃあ、始めましょうか。奥様はそこの椅子に腰掛けていてください。座っている間は、僕に話しかけてくださっても大丈夫です」
スケッチブックの隅に鉛筆で日付を書き込み、被写体となる婦人を見る。
「明かりはつけなくても大丈夫かしら?」
そう言いながらも素直に椅子に座る彼女に、私はその輪郭をまず大まかに画用紙に書き込みながら笑う。
「暗いな、と感じたら、こちらで勝手につけさせていただきますので」
実際、部屋の中は大分明るい。明り取りも兼ねた窓からの日差しも丁度良く、日が陰るまでは照明器具の世話にならないで済みそうな気配だ。
輪郭から、彼女の顔をデッサンしていく。
特に表情や姿勢は指示していないが、数メートル先に座る老婦人は膝の上に手を置いて、穏やかに微笑んでじっとしている。
老人と言うよりは、年齢を重ねた女優のような明るい肌の色は、化粧の賜物だろうか。普段イメージする老人のカテゴリには入らない。けれども若いわけではなく、分類するのであればやはり老婦人だと感じる。なんとも不思議なイメージを想起させる女性であると、この時点で認識する。
「昨日はごめんなさいね。留守にしてしまって」
鉛筆を動かし始めてから数分、彼女が一言私に謝って来た。
「別に構いませんよ。依頼主・・・御主人とは色々お話させていただきました」
答えながら、私は彼女との会話ではなく、彼女の肖像画に色をつけるのなら、油絵にしようか、水彩にしようかと思案をめぐらせる。
興味が全く無いわけではなかったが、どちらかと言うと意識は絵を描く作業の方に集中していた。
「昨日は、お墓参りに行ってたの」
ふと、集中する意識が彼女の言葉の方へと逸れる。
「月命日だったのよ」
スケッチブックから顔を上げると、老婦人は穏やかに微笑んだまま、私の手元ではなくどこか遠くに目線を彷徨わせているようだった。
「・・・御家族の方ですか?」
向こうから話題を出したと言う事は、無視してはいけないのだろうなと考え、私は手元に視線を戻しながら尋ねる。
小さな溜息が聞こえてから、答えが返ってきた。
「家族、とは違うけれど・・・ずっと昔に死んでしまった、大事な人のお墓よ」
明らかに何か事情が有りそうな言い回しに、私はそれ以上の追及を避ける。
老婦人は悲しい思い出を語るような口調ではなかったが、聞いてしまうとこちらが勝手に気まずくなってしまいそうな気がしたからだ。
「・・・そうですか」
結局、曖昧な言葉一つ返して、スケッチに集中する。
それきり、婦人は墓参りの話を進めようとはしなかった。途中何度か挟んだ休憩時間中にも、他愛ない雑談のみ話して、話題を蒸し返すような事にはならず、一日が終わった。









数日が過ぎた。
作業は昨日から、スケッチでの習作から本格的な描画に移っている。
老婦人の肖像画を描くにあたって、絵の具は水彩用の絵の具を選んだ。
特別な道具では無い。サイズこそ違うが、子供が絵画教室に通う時に持たされるものと同じ絵の具と絵筆、パレットである。
油絵の具でも良いように思ったが、彼女を描くのであれば水彩画だろうと言う結論に至り、子供の頃から愛用しているパレットを持ち込んでの作業になった。
作業部屋として案内されている小部屋には、一日中二人きりと言うわけではなく、依頼主である彼女の夫も頻繁にやって来る。
手元を覗き込むほどではないが、時間を見つけては小部屋を訪れて、キャンバスを見詰めたり、私と、あるいは彼の妻と少しだけ会話を交わしては戻っていく。
掛けられる言葉に刺々しさは無く、純粋に私の作業が物珍しい様子だった。
「ごめんなさいね、人の出入りが頻繁だと、集中できないのではないかしら?」
申し訳無さそうに小首をかしげる彼女に、私は苦笑いにならない程度に軽く笑い、首を横に振る。
「いえ、大丈夫ですよ。僕はあまり、そういうのは気にならない方なんで」
実際、人前で絵を描いていく事自体は苦にならない。
他人はどうか分からないが、私自身はあまり作業中の姿を人に見られることに対して嫌悪を感じない種類の人間で、どちらかと言うと興味を持ってもらえるのは嬉しいし、会話を交えながら作品を作る事は楽しいと感じる方である。
だから、老夫婦との雑談を交えながら絵を描くと言う今の環境は、ストレスよりもむしろ充実感を私に与えていた。
初めてこの屋敷を訪れた時に感じていた居心地の悪さも今では殆ど意識していない。
それは恐らく、私自身がこの屋敷の空気に慣れてきたのもあるのだろう。
窓から差し込む日差しは、今日も部屋の床を明るく照らす。
季節はもうすぐ真夏と呼べる時期に移り変わろうとしているが、空調設備の整った屋敷の中なのも有ってか暑さはさほど感じない。
古風な屋敷の中、老夫婦の生きる空間だけ、まるで時間が止まっているようだと思いかけて我に返り、描き始めたばかりの絵と目の前のモデルに集中する。
現代建築ではなく、少し時代がかった造りの屋敷に通っている所為か、少しばかり空想が広がりやすくなっているようだ。
キャンバスの上、私の手で描く老婦人は、まだバストアップの輪郭と目鼻立ちの位置が描き加えられた程度にしか出来上がっていない。
殆ど下絵を入れず、この状態から彩色に映る作家もいるらしいが、私はもう少し書き込みを加えてから色を塗る方がしっくり来る。
期日を設けられているわけではないのだが、ボンヤリ空想に耽り手を止めるのは本意では無いので、私は彼女の髪の毛の流れを描写する作業に移行した。
直射日光を避けた位置に座る彼女の髪は、恐らく全く染めていないのだろうけれど、手入れは怠っていないのだろう、ほつれや乱れの見えない白銀の流れを保っている。
若い頃は、どんな色の髪だったのだろう。
そう言えば彼女の夫も染めていない白銀の髪を綺麗に撫で付けていた。
どちらも顔立ちが整っている老夫婦だ。もしかすると若い頃は文字通りの絵になる美男美女だったのかもしれない。
「お二人は」
ふと、考えながら絵を描く内に、言葉が口をついて出た。
「?」
首をかしげた婦人に、手を止めないまま質問を投げかける。
「いえね、少しだけ、あなた方の若い頃はどうだったのかな、と思いまして」
問い掛けに対し、少しの間沈黙が続いて、それから小さな溜息が聞こえた。
「マクベさんは、今おいくつかしら?」
咎めるような口調では無く、さりげなく投げ返されたのは、先ず私のことに関しての質問。
「今年で30になります」
答えると、相槌の後、それじゃあと言葉が続く。
「戦時中の事は御両親から聞いているかもしれないわね」
続けられた言葉に、私も相槌のような返答を返す。
「学校でも習いましたからね。もう、50年以上前ですか」
質問に質問を返され、もしかして話をはぐらかされたのかと一瞬思ったが、老婦人の話は更に続く。
「もう半世紀も前ね・・・あの戦争の頃、私達は本当に偶然出会ったのよ。まだお互い10代の子供で、あの人は今より背が低くて、私は痩せっぽちのお洒落に興味の無い子で」
「男の子と間違えられた、とかですか?」
言葉尻に乗って冗談を交えてみると、彼女は笑い声を上げる。
「それは無かったわ。初対面の時、私はスカートを履いてたもの」
大笑するのではなく、口元にそっと手を当てて、小さくクスクスと笑う。
穏やかに笑う表情はいつも見ているが、笑い声を聞いたのはこれが初めてだった。
「でも、あの人は私より背が低かったの。それでかしらね、最初の内は会うたびにどちらかがどちらかに食って掛かって、喧嘩になって、周りの友達にいつも止められてたわ」
これは意外なエピソードだと、私も少しつられて笑いそうになる。
あの温厚な老紳士にも、少年時代は確実に有ったと言う事か。
「・・・あの頃は、彼と結婚する事になるだなんて考えても無かった。共通点なんて何も無い、いつも喧嘩ばかりで仲の悪い二人だもの、きっと別々の人と恋をして、結婚して、家族になって、そうして何時の日か、お互いの事は子供の頃の思い出話になるんだって、当然のように思ってた」
懐かしい話に目を細め、彼女はどこか遠くを見る。
私の肩越しに何を見詰めているのか、その瞳は穏やかなのに、感情の篭った色をしていた。
此処に来るたび色々な話はするが、思い出話と言うと殆どしたことが無い。
特に、老夫婦の若い頃の話に関しては、今初めて聞いたくらいだ。
半世紀前の戦時中、彼らの間に何があったのか、どんな青春時代を共に過ごしたのかはわからない。
けれども、夫婦として生きる事を選択するより以前、二人の間に様々な出来事が有り、その記憶のいくつかは、傍目に見ても幸福なものでは無いのであろう事は、容易に想像できる。
「・・・少し休憩しましょう」
追求するのも気が引けて、私は気分転換ついでにパレットを置く。
今、頭の中にある肖像画のイメージは柔らかく穏やかなものだ。そこに、戦時中の思い出話で悲しいイメージを付加するのが何処と無く嫌だった、と言う理由が大きい。
描きかけの絵を見ながら軽く背伸びをして、深呼吸を繰り返すと、わずかに気分が落ち着いていく。
自分で思っていたよりも、室内にこもりっきりで作業する事にストレスを感じていたのかもしれない。
息を吐き出しながらふと顔を上げると、婦人は椅子から立ち上がり、窓の近くに居た。
丁度差し込む光で、彼女の顔が隠れる。
昔見た絵画に似たような構図が有ったなと思い出していると、不意に自分の名前を呼ぶ声がした。
「マクベさん」
窓の外を眺めていたのだろう彼女がこちらを振り返ったのが、揺れるスカートの裾と脚の動きで分かった。
完全に窓に背中を向けてしまうと、逆光で強い陰影が生まれ、彼女の表情は殆ど窺い知れなくなる。
陰の中で、老婦人がかすかに溜息を漏らし、それから笑う気配がした。
「私、今でも恋をしているの」
優しい、柔らかい口調で彼女はそう言った。
部屋の中の空気は暑くも寒くも無く、季節から取り残されたような錯覚を覚える。
何時もは殆ど意識しない時計の秒針の音が、やけに大きく、耳障りに響く。
「この恋は、永遠に終わらないわ。私の命が終わっても、きっと」
誰との恋なのか、何故永遠に終わらないのか。
彼女がそれについて言及する事はそれ以降無かった。













依頼を受けて肖像画を描いているとはいえ、毎日屋敷に通い続けるわけにも行かない。
雑誌関連の仕事の打ち合わせやアレコレの付き合いを消化するために、三日ほど屋敷に行け無い旨を老夫婦に伝え、画材や描きかけの絵を自宅でもあるアトリエに持ち帰る。
彼らの事だから丁寧に保管してくれるに違いないが、それでも依頼を請けた仕事である以上は、自分の目の届かない場所に数日置くのは不安だった。
作業部屋に持ち込んで、保護用の布を取り払うと、まだ色を乗せていない白と黒のキャンバスの中、老婦人が穏やかに微笑んでいる。
少し、似てないように思う。
穏やかな微笑をいつも浮かべた女性ではあるが。昼間聞いた思い出話のイメージにはそぐわない。
それどころか、対象の表面しか見ていない、なんとも薄っぺらい絵のように感じた。
自分はこの程度の技量しかなかったのかとおのれを責めながら考える。
彼女は一体、あの話をして私に何を伝えたかったのだろうか。
持ち帰った日の夜は、婦人が告げた言葉の意味を考えて夜を過ごし、結局眠れなかった。
我ながら変なところで神経質な性分である。
一晩考えて朝が来て、私が真っ先にしたことは眠気覚ましの洗顔ではなく、描きかけの絵を破り捨てる事だった。
力を入れ紙を左右に分断させると、老婦人の笑顔が歪に歪んで左右に離れていく。
余り自分でこういう絵の捨て方はしないようにしていたが、今回は理性よりも衝動が勝った。
違う。
この絵は彼女の肖像画では無い。
この肖像画に彼女はいない。
違うと一度思ってしまった以上、このまま完成させるのは納得できなかったのだ。
破り捨ててから、打ち合わせに行く予定だった出版社と、酒飲みに付き合う予定だった友人とに連絡を入れる。
しばらく、家に篭って作業がしたい、仕事に穴をあけるようなことはしないから、と。
打ち合わせの内容はメールで送るように頼み込んだ。幸い、締め切りにはまだ間が有るからと、担当は(本心からそう思っては居ないだろうけれども)私の申し出を許してくれた。
連絡をつけるべきところすべてに連絡をつけると、私は油絵用の画材を取り出し、絵筆を構える。
記憶が薄れない内に。
あの時計の針の音が響く部屋が、色褪せてしまわない内に。
今の自分がしている事は誰からも歓迎されない、ただの自己満足かもしれない。
完成した絵を見せて、つき返される可能性だって有る。
それでも構わないから今はこれを描きたいのだと、睡眠の足りない頭が主張していた。
筆を動かし、刷毛とヘラで絵の具を乗せながらずっと考えていたのは、逆光の中私に語りかけた老婦人は、私に表情を見せたくなかったのではないだろうか、と言う事だった。












緩やかな坂を、肩に感じる重量に時折溜息をつきながら登る。
眠っていないからだろうか、身体に感じる坂道の傾斜角がいつもよりきつい。
結局、丸三日眠らないで私は絵を描くことに没頭した。
仕事で絵を描くようになってから、ここまで無茶をしたのは初めてのことだ。
絵は完成した。
出来上がった瞬間は、丁度夜明けだったのも有ってかかつて無く清々しい気分で、自分が何か壮大な計画を達成したかのような高揚感を味わっていたのだが、いざ絵を届けるようと屋敷へと向かう為にせめて身だしなみを整えようと思いシャワーを浴びている最中から、段々冷静さが戻って来て、気分は冷静さに比例して沈んでいった。
が、自己嫌悪に陥るよりも先ず仕事の約束を果たす方が先だと思い、自宅を飛び出していた。
シャワーで整えた服と気分は、坂を登り屋敷の門の前に到着する頃にはすっかり汗と披露と遅れてやってきた睡魔で萎えしぼんでしまい、私は何て切り出そうかと溜息混じりに呼び鈴を押す。
『-もしもし?』
出たのは、婦人ではなく依頼主の方だった。
彼が家に居るのも、良く考えれば当たり前の事なのだが、一瞬言葉に詰まって、それから名乗る。
「あ・・・マクベです」
後ろめたい事など何一つないはずなのに、おどおどとした名乗りを上げてしまった。
インターフォンの向こうからは、老紳士の穏やかな声が聞こえ、それを合図に私は門をくぐる。
玄関まで到着すると、婦人ではなく、彼女の夫が扉を開けた。
「お待ちしてましたよ」
顔を出した彼を一目見た途端、私は三日前との相違点と、違和感に気付く。
その声は穏やかだったが、笑顔には少し疲れたような陰りが有る。
陰りと言うか、目の下に三日前には無かったはずの隈が出来ていた。
なにより、今日の彼は綺麗にアイロンの掛けられたシャツではなく、くたびれた格好をしている。
「・・・」
何か有ったのか、尋ねようと思ったが咄嗟に言葉が出無い。
初対面と言うわけでもないが、何もかも打ち明けられる仲というわけでは無い私から、彼にどう声を掛けて良いのか、考えがまとまらずためらってしまう。
口を半開きにして呆然としている私の様子に気付いたのか、疲れた様子の老紳士は屋敷の中に入るよう私に促した。
屋敷の中に一歩足を踏み入れると、違和感は更に大きくなる。
具体的にどうと説明を求められると困る程度だが、明らかに三日前とは何かが違う。
「・・・昨日の事なんですが」
私の不安を感じ取ったのか、紳士が口を開く。
「妻が、入院しましてね」
聞いた瞬間、何かが胸に刺さったような、耳の上辺りを軽く殴られるような、そんな衝撃を覚えた。
彼らの年齢を考えれば、急な入院も無い話では無いので、実際はそう驚くような事でも無いのだろうが、かかわりを持った人間としては、余り聞きたくは無い。
「何か、御病気ですか?」
好奇心よりも、心配が勝る心境で問いかけると、彼は溜息混じりに笑いながら答える。
「いえ、遊びに来ていた孫の相手をしていたら、階段を踏み外しまして。若い頃でしたら捻挫で済んだのだろうと思いますが・・・」
足の骨が折れたらしい。
子供の相手をしてはしゃぐよりは、本を読んだり、刺繍を教えたりして過ごしそうな婦人だと思っていたので、それはそれで意外な情報だった。
「まったく、参りました。普段は家事全般を任せていたもので、自分一人でも大丈夫なつもりだったんですが、服をしまって有る場所も良くは判らない有様で」
「わかります。うちの親もそうでしたよ」
自嘲気味な紳士に、私は自分の両親の事を思い出す。
私の父も、母が入院した時、洗濯物を仕舞う場所が分からないと家の中を右往左往していた。
思い出と現状をお互いに話しながら、初めて屋敷に来た時にも通された居間に入る。
「絵が出来上がったそうですね」
脇に抱えていた荷物を慎重に足元に置いていると、俯いた頭の横あたりからそう言って声を掛けられた。
そうだ。今回はそのために此処に来たのだ。思い出話をするためでは無い。
「あ・・・はい」
そう言えば報告の電話を掛けたのは、絵を完成させた直後、高揚感の真っ只中にいる状態で、だった。
私の中でいくつもの言い訳の言葉が飛び交いだす。
この絵を肖像画ですと胸を張って私のが非常に恥ずかしくなってくる。
「こちらです」
しかし恥ずかしいといって作品を仕舞いこむのが許されるのは学生までだ。
私は仕事としてこの絵を描いたのだから、依頼主に見せる義務が有る。
足元近くに立てた絵を覆う布を取り払う。
床に立てると大体成人男性の膝くらいまでの高さと、肩幅程度の横幅の、長方形の画布に描かれた油絵。
絵の中では、昼間の日差しが差し込む部屋の中、窓際の婦人がこちらを向いている。
彼女の顔は逆光で陰になり、描かれていない。
「これは・・・」
肖像画と言うよりは、風景画に近いそれに、依頼主は唖然としている。
当たり前だ。私が受けた依頼は【肖像画】である。通常は座っている人物の胸もしくは腰辺りから上を描くものであり、被写体の顔が描かれていない肖像画など論外だ。
沈黙の続く紳士を前に、これはつき返され、依頼料は無しになっても仕方ないと覚悟を決めた頃、彼の口から二言目が漏れる。
「・・・良い、絵ですね」
少なくとも私の意表をつくには充分すぎる一言だった。
驚いた余り目を丸くしていると、彼はゆっくり目を細め、少し腰を屈めて絵を見詰める。
「あの部屋の窓ですか。・・・妻は、あの窓から空を見上げるのが昔から好きなんですよ」
てっきり罵られる、失望されるとばかり思っていたのだが、予想に反して老紳士の表情は嬉しそうだった。
「彼女は、貴方に何か言いましたか?」
その嬉しそうな笑顔のまま問われ、私はあの時彼女が言った言葉を口に出す。
「永遠に終わらない恋をしていると仰ってました」
私からの馬鹿正直な報告を聞いて、老紳士の笑顔が少し曇ったように見える。
「そうですか・・・」
再び沈黙し首を傾げると、彼は何かを思いついたように顔を上げ、私に此処から動かないように告げると、一度客間を出て行った。
足音が廊下を遠ざかっていき、階段を上がり、どこか遠くで扉が開け閉めされる音がする。
物音からして、何かを探しているのだろうか。
やがて、居間を出て行った時とは逆の順番で物音が続き、彼は手に何かを持って戻ってきた。
皺の多い手が大事そうに持っているのは、封筒と、それよりもやや小さな紙片に見える。
「こちらを見ていただけますか?」
言われるままに彼が差し出す手の中を覗き込むと、小さな紙片に見えたのは写真だった。
差し出した彼の手の中のそれは、随分古く色褪せている。
写っているのは揃いの制服を身につけた数人の若者だった。
整列しているわけではなく、少年も少女も、思い思いの姿勢でくつろいで、笑顔をカメラに向けている。
「此処に映っているのが私です。その隣の隣が、妻ですね」
彼の指差す先には、小柄な少年と、少年よりも少し背の高い、痩せた少女が写っていた。
あの部屋で私が聞かされた思い出話の頃の彼らなのだろう。
仲の良いグループの中に混ざっているのだろうが、確かに、二人の間には少し距離が有る。
「この頃、彼女には別に好いている相手が居ました。私はそれを知っていましたが、特に気にも留めず、どちらかと言うと、その事をからかっては怒らせてばかりで・・・子供でしたね、色々と」
純粋に昔を懐かしむような笑顔で、彼は写真の上に指を滑らせて行く。
その笑顔からは、彼の妻のような含みは感じられなかった。
本当は彼にも思うところは有ったのかもしれないが、私が察する事は出来なかった。
もう一つ彼が持って来た封筒は、写真とは違いまだ新しい、買ってきたばかりの物に見える。
「そちらは・・・?」
問いかけると、彼は写真をテーブルに置いて、封筒の宛名の部分を私に見せた。
「入院した日に、妻から預かったものです」
宛名の部分は私の名前が書いてある。
私への手紙か何か、入っているのだろうか。
差し出されるままに封筒を受け取ると、中に折りたたまれた紙が入っているのが手触りで分かる。
「開けてもよろしいですか?」
念のため確認すると、どうぞと返ってきた。
それならとおもむろに封筒の口を破くと、一枚の便箋が出てくる。
一緒に、ふわりと何か良い香りがした。
前略で始まり、私に呼びかけるような文章と美しい筆跡で、手紙は綴られている。
書いて有るのは、どの病院に入院しているという挨拶と、もう一つ。
「・・・」
驚いた。
いや、驚いたというより、意外すぎて信じられなかった。
手紙から顔を上げると、私は老紳士がテーブルに置いた古い写真を手に取り、それを裏返す。
色褪せ、くすんだ裏紙の右下に色褪せたインクで、手紙と同じ筆跡でただ一文。
「・・・あの、一つ訊いてもよろしいですか?」
手紙をテーブルに置き、傍らで私と絵を交互に見る紳士に問いかける。
どうぞと返って来た言葉に、私は言葉を続けた。
「私に奥様の肖像画を依頼したきっかけは・・・私の名前ですか?」
彼は目を細め、曖昧に頷く。
肯定なのか、はぐらかされたのか。
テーブルの上、伏せられた写真の右下には、撮影者の名前が描いてある。
偶然かもしれない。
単なる同姓同名などいくらでも居る。
其処に書かれていた名前は、私の、死んだ父親と同じだった。












かすかに消毒用アルコールの臭いの混ざる廊下を、1人の老人が歩いている。
すれ違う看護師の中に顔見知りが居たのか、にこやかに挨拶を交わしてすれ違い、しっかりした足取りで目的の病室に向かう。
「こんにちは。入っても良いかい?」
ノックしてから呼びかけると、返事はすんなり返ってくる。
病室には、ベッドの上で身体を起こし、眼鏡をかけて読書にいそしむ彼の妻が居た。
「珍しく続いているね」
「身体も動かせないし、読書しか楽しみが有りませんもの。仕方なく、2冊目に突入したわ」
軽口を交わし、ベッドの横の椅子に腰掛けると、老人は上着のポケットから封筒を一つ取り出して彼女に渡す。
「彼の絵が完成したよ。素敵な絵だった」
「そう」
それは良かったと言いながら、老婦人は読みかけの本にしおりを挟む。
傍らに本を置くと、夫の持つ封筒に目を向けた。
「それは先生からのお返事かしら?」
「ああ、そうだよ。君宛だから、私はまだ中身を読んでないんだ。何が書かれているんだろうね」
答えながら、老人は妻に封筒を渡さず、ひらひらと揺らして弄んでいる。
それと夫の顔を交互に見て、彼女は笑いながら掌を差し出す。
「白紙でも結構です。いじわるしないで見せてくださいな」
妻の一言に老人もそれ以上は焦らさないで封筒を差し出した。
ゆっくり丁寧に封筒を開け、中から便箋を取り出すと、彼女はしばらくじっとそれに目を通していたが、不意に窓の外を見る。
首を傾げるようにして少し目線を下に落としてから、彼女は窓の外に向かって手を振った。
窓の下では、病院の入り口で封筒だけ託し、下から病室の窓を見上げていた男が居た。
老人が妻の視線の先を追って窓辺まで歩いていくと、既に男はこちらに背を向けて、病院の外へと歩いていくところだった。













少しだけ種明かしをしようと思う。
絵を依頼主に渡した後、私はすぐに帰宅してまず実家の家族に電話を掛けた。
父は昔、軍属のカメラマンをしていたのだと、聞いた事がある。
戦時中に撮影されたたった一葉の、自分以外が撮影した写真の事など覚えているのだろうか不安だったが、存外に私の家族は記憶力が良かった。
話してくれたのは母である。
「幼年学校の・・・ああ知ってるわよ、お父さんにラブレター書いた女の子、居たわねえ」
とまで話していたので、老婦人の恋のエピソードは胸の奥に仕舞っておく事にした。
結局あっさり言質が取れた結果、私は依頼主に手紙を託したわけだ。
溜まっている仕事をやりくりできれば、次の週末を休日に充てられる。
手土産でも持って見舞いに行こうか。
謎が解けた分、少しは晴れやかな気分で、彼女の思い出話に付き合えるような気がした。



《 セピア 了 》



【 あとがき 】
主人公もヒロインも書き手もなにもかもが空回った。盛大に空回った。
そんな作品になってしまったように思います。
大きなお屋敷が舞台なのだから殺人事件でも起これば良いのに・・・色々背景エピソード有るだろうに・・・勿体無い。
これは今度こそ説教を食らいそうだ。ああ間違いない。
先に謝っておきます。
ごめんなさい。

【 その他私信 】
最近ようやく私生活のリズムと言うものが出来始め、アニメを鑑賞する余裕なども生まれてきました。
正月は元旦だけお休みだったんですが、とりあえず梅田のヨドバシカメラで散財。
忍たま乱太郎実写版、特典映像満載の2枚組DVDを無事購入。
あと、最近物凄く自分の中で熱が上がっているTIGER&BUNNYのコミックス関連とかを大人買い。THE駄目人間の休日。
DVDレンタル早く近所に来ないかしら・・・。
折紙サイクロンが好きです。腐った方向に。
そんな馬鹿ばっかりやってるから小説で難儀するんだと怒られそうな気がする今日この頃です。


辻マリ
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