Mistery Circle

2017-08

《 抹茶寺とムギレット 》 - 2012.07.21 Sat


 著者:黒猫ルドラ







いつもの僕のギムレットだった。退屈で虚ろな味がする。
ギムレットと母は言い張るが、それはどう見ても麦茶で、そもそも僕はギムレットなんて知らない。
おそらくギムレットのギムと麦を引っかけた駄洒落じゃないかと僕はにらんでる。母はそう言う人だ。


秋風が冬支度を始め、そろそろイルミネーションが灯り始めるこの季節。
僕は母に連れられて、この街の夜景を見歩きに行くのが毎年の恒例行事になっていた。
イルミネーションに灯された街並みに少し気が早いサンタ帽の男が観光用トレインの先導をしている。
色とりどりの電飾で飾られた名ばかりの汽車は、人が歩くよりゆっくり進む。


「スタバ行こう。」
「スタバって何?」
「かき氷屋さんよ。」


いつもの口調で母が誘う。
もう木枯らしが吹き始める時期にかき氷屋さんとは、随分酔狂な事を言う。
しかし?
母は寒がりじゃなかったか?
どう言う風の吹き回しだ?
疑問に思いつつも、母は観光用トレインを早足ですり抜けて行くから、僕は慌てて着いていくしかなかった。


「聡。スタバ着いたよ。ママはコーヒーとドーナツにするけど、聡は何が良い?フラペチーノってかき氷もあるけど、温かいものもあるよ。どうする?」
「かき氷が良い!」
「でも、寒くない?ママ、タバコ吸うから外で食べるよ?」
「うーん…じゃあ、温かいのにするー。」
「じゃあ、温かい飲み物とパンにしよっか。飲み物は抹茶ラテで良い?」
「良いよー!」
「パンはどれが良い?」
「うーん…じゃあ、ママと同じやつ!」
「ドーナツね。すいませんー。スターバックスラテ、チョコソース追加と抹茶ラテ。あと、ドーナツ2つお願いしまーす。」

…かき氷屋さんじゃなかったのかよ。ココ、コーヒー屋さんじゃないか。
すっかり騙された…。
だいたいフラペチーノって何だよ?母さんの事だから、さてはアイスコーヒーだな。
それにラテって何だよ?寺か?

「お待たせしましたー。」
「聡、来たよ。さて、テラスに行こうか。」
「はーい。」

「はい、抹茶ラテとドーナツ。熱いから気を付けてね。」
「うん。あったかいね。」

キター!!
抹茶寺!!寺の飲み物かよ!!飲めるのか?

恐る恐る蓋を外すと、そこには抹茶特有の若葉色に染まった牛乳が入っていて、暖かそうな湯気を立てている。

「抹茶牛乳?」
「そう。ラテってね、イタリア語で牛乳って意味なんよ。」
「なーんだ。」

ほっと一息。ラテは寺じゃなかった。間違っても線香なんて入ってないようだ。
「おいしい?」
「うん。熱いけどおいしい。」
そう声を交わした所で母はタバコに火を着けた。


いつも母は、こんな感じだ。
優しいけど、変なことを言って僕を戸惑わせる。
変なことを言ったりしたり、一見元気そうな気がするけど、本当は体が弱く、気が強そうに振る舞ってるけど、実際、気は強いけど、実は涙脆くて、時々テレビを見ながら泣いてる時がある。
知らんぷりしてたけど、こないだ妖怪ウォッチ見ながら泣いていたのを僕は知っている。

だから僕は、そんな母が大好きだと思ってるし、守らなくちゃと思ってる。
だから具合悪そうな時は、お手伝いも頑張るし、心細そうな時は、そばに居てあげる。

「ママ、大好きよ。」
そう言った時に、いつも帰って来る言葉は、
「ママも聡の事が大好きよ。」
だ。
そんなママと、ずっと一緒に居たいし、いつまでも長生きしてほしいって願ってる。
母は僕の宝物だ。


母がタバコを灰皿に押し付けて火を消した。
僕が食べ終わるのを見届け、コーヒーの最後の一口を飲み干した。
「じゃあ、行こうか。」
母の一言に返事をし、カップとトレイを片付けて、スタバを後にした。

街を埋め尽くす用なイルミネーション。
少し変わったオブジェ。
撮影用ベンチに腰を掛け、二人で写真を撮った。
光に照らされた母の顔はキレイだった。

「じゃあ、そろそろ家に帰ろうか。」
その一言で街歩きも終える事となった。
夜も更けてきた。
まだ真冬では無いにしても、もう寒さを感じるには十分な季節だ。
バスに乗って家に帰る。

家に帰ると留守番していた父と姉が迎えてくれた。
父も姉も風呂上がりの様で、髪は濡れてるし、体から少し湯気も立っていた。

「外、寒かったやろう?今、お風呂から上がったばっかりだから、あったかいよ。」
「うん。じゃあ、風呂に入ろう。和葉、これ、お土産のドーナツ。」
「わーい!ママ、ありがとうー!」
「どういたしまして。聡、一緒にお風呂入ろう!」
「うん!」

いつも姉とお風呂に入ってるから、母とお風呂に入るのは久しぶりだ。
しかし、一抹の不安もある。
母は僕が裸になるとセクハラしてくるのだ。
子供の小さなチンコが可愛いらしく、チンコを見るなり揉んでくる。
いや、子供のチンコに限らず、チンコそのものが好きなようだ。
父もチンコをよく揉まれているのを見かける。

服を脱ぎ、体を流しつつヒヤヒヤしてたら、案の定、チンコを揉んできた。
「ママー!やめてー!」
「えー?やめるの?聡、ママと結婚するんやろ?」
「結婚するけど…」
「だったら良いやん。結婚するんやろ?じゃあ、ママとセックスしようか?」
「セックス?それ、何?」
「変態な事よ。」

母の目的は、若い男とセックスを試し、値段をつける事に過ぎないだろう。

「いやだー!変態やないもん!!」

因みに僕はセックスの意味を知らない。
明日になったら、過ごすのも、残り僅かな保育所に行くだろう。

「ママ、ショタコンやけねー。」
「ママ、男の子供、大好きなんやろ?僕はママが大好きー。僕、マザコン。」

こうして、夜も更け、いつもの日常に戻るのであった。





《 抹茶寺とムギレット 了 》





【 あとがき 】
寒くなって来ましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

さて。
今回は、お題が難しくて、ちょっとと言わず、かなーり無理矢理にお題を捩じ込んだ感じになってしまいましたwww(。>д<)
お題のギムレット~価値を試すセックスなんて、クールドライな恋愛ドラマなんて、私のおバカな頭の中にはありませんからねwww(。>д<)
と、言う事でセクハラお母さんに登場して貰いました(笑)

お母さんがセクハラお母さんだったら?
皆さん、ご自分のお母さんがセクハラしてきたら?
想像してください。
嫌ですね。

あー、ヤダヤダ。

聡くん、セクハラお母さんに負けない様にね~(*´ω`*)
では、ここいらへんで~(*´ω`*)


黒猫ルドラ
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