Mistery Circle

2017-11

《 Queen of Thompson 》 - 2012.07.25 Wed


 著者:しどー





 週末。私は疲れた体に鞭打ってとある場所に行く。
 その場所は、ゲームセンター。
たくさんの100円を持ち、備え付けヘッドギアをつけてから、鞄から重りを銃へ着ける
 ステージ1をある程度で終え、ため息つく。致命傷を追うこともある。だがそんなヘマは最近少ない。あぁ、もう死んでしまいたい。しかし私は結局死なないだろう。NPC相手は疲れるだけで、始めた頃のあの難敵はどこにいったのかただ悲しくなる。

 このゲームは一人目線のシューティング、いわゆるFPSといわれるタイプのスタイルであり私の使うキャラはいつだってトンプソンマシンガンのクィーン。システムは最終ステージを含む7ステージを終える前であるなら他のユーザーの乱入がある。ネットで相手がわからないが、確実にリアルタイムで来る。
 そして、今回乱入してきたのは100丁拳銃のキッド。
 スナイパーのキラーに比べて見ればそこまで相性は悪くないがそれでも相手にすれば先に見つけヘッドショットを狙うか、先に弾幕をやめた方が勝つ。

 互いに、噛み合いすぎる苦手な相手だ。

 しばらくは互いにNPCを殺していく。銃声が聞こえる近くにいるかもしれない、NPCをあえて殺さず釣れるのを待つ。
 近くにいるならと、半分を切ったドラム弾倉を交換。弾倉を棄ててどこからか新たなドラムを入れ換える、そんなわずかな時間の無駄を見ていると…。

 キッドがいた。

 射程ギリギリ。弾幕を吐くか、逃げるか。向こうは100丁のフリントロック、残り何発かまでは分からない。こっちは、50発弾倉。

 考えるな。射程の有利性がある今、片をつけた方がいい。

 移動パネルを2回踏みダッシュ。斜めに進み、距離を詰める。

 弾幕。そして、互いに弾幕。

 互いに多少のHPは削ったが、致命傷は与えられず物陰に隠れ膠着状態。ステージクリアまでの時間は3分を切った。このままドローか。
 そう思うと、画面に1つ出てきた。

『向こう側が乱戦を望んでいます。引き受けますか?』
『はい』『いいえ』

 このゲームでは、この膠着が多い。だから、二つ前のアップデートでこの乱戦が追加された。
 一気に敵NPCが出てくる。
 それも、処理を楽にするためにボーリンクのピンのようなキャラがわらわらとわいてくる。そのくせに、謎のダメージ判定を持っている。

 流石にこのモードは、プレイヤーに不利であり、弾数無限に、各キャラごとの特殊がつく。私の使うクイーンは『掃射』ワンキル判定が大きく増える。
対するキッドは『ラストシューティング』乱戦が終わるとそれが追加させれる。一発限りの一撃必殺技。
 キッドの相手は、敢えて不利を覚悟で勝負に出た。『はい』を撃ち抜き、乱戦が始まった。

 ピン達をなぎ払いながら弾幕を吐き続ける。四方八方から襲われ続ける、銃を構えて撃つ、撃つ、撃つ、撃つ。
 仕事での疲れがなければ、もっと索敵出来るだろうが四の五の言ってられない。
 目ン玉ぐるぐるさせてひたすらに撃ち続ける。

 キッドの方はラストシューティングに向けてあらかた準備を始めているだろう。
 銃声があまりきこえなくなってきた。背中を狙われるのが厄介で建物を背にピンどもを倒していく。もし、これがゾンビ映画なら今頃核ミサイルでも放たれたところだろう。

 向こうは完全に俺を狙うために銃声すらさせない。ある程度の数を掃討し、残り時間が5秒。

5

4

3

2

1

 ここだと思い、リロードをかける。ゼロになるまでは乱戦の制限解除は有効。

 ドラムのない弾倉であたりに弾幕を張る。

 そして、ゼロ。
 ピンどもが掻き消える。

 その中に、キッドがいた。技能判定が先か、被弾判定が先か。

 弾幕をキッドに集中させ…そして、キッドが1発を放った。

 本当の戦場なら弾のガチ合いにでもなるのだろう。
 残念ながら、ゲームであり電子世界。
 放った弾丸はエフェクトこそあるものの、『相手に当たった』これしか残らない。

 だから、こうして…YOU WIN と出ているも、クィーンはヘッドショットを決められ倒れている。
 画面にはコンテニューのイエスノーがあるが流石にノーを撃ち抜き、そのまま【お疲れ様】【いい勝負】【ありがとう】という文字スタンプを撃つと向こうも【次は勝ちます】ときた。勝負時をもう少し見定めることできたら、厄介かもな。だがそれよりも疲れた、目が。しばらくこのままにしておいてもらいたい。
 だが、次の人が待っていた。あぁ、なんてため息つきパーツを鞄にいれてから筐体を出て目頭を揉みながら今日はこれでやめておこう。明日は誰がくるかな、なんて思いながら家路へ向かった。
 
 やかましいゲームセンターの外はしんとして、少しだけ寒かった。




《 Queen of Thompson 了 》





【 あとがき 】
私はガンシューティング好きです。
もし、このゲームがあったら…?

やりませんね。絶対疲れる

さてさて、しどーです

今回は、悩みました
お題からこの話に決めましたのは早かったものの
最後を勝つか負けるか。これを悩みました。
その次にファーストコンタクトを撃つか逃げるか、これも悩みました。

〆切延長のお陰で妥協せずにすみました

では
ここまで読んでくれてありがとうございました



Sidh's story しどー
http://id24.fm-p.jp/16/cidh/


● COMMENT ●

しどーさま、

こんにちは。勝手な感想です!かっこよかったです!ゲームをしないのでその世界のことを初めて聞かせていただいてとてもわくわく読みました。畳み込むような展開と声に出して読みたい横文字!そしてやっぱり怖かったです。ゲームをしない理由です(笑)こういった冒険ができるってすごいなと思います。勝つか負けるか=生きるか死ぬか、という世界をこうして緊張感を交えて描くことに頭が下がります。そしてラスト一行にとても共感しました。ゲームセンターって音大きいですよね(笑)新しい世界を読ませていただき、どうもありがとうございました。

しどーさん、こんばんわ。拙いながらも感想を書かせていただきました!
とても迫力があって緊張感のあるお話でした。まるで自分も実際ゲームをプレイしているような、というより銃を持って戦っているような、そんな錯覚をもたらせてくれる臨場感あふれる文章が魅力的です。ラストの撃ち合いシーン、ゲームの勝敗が決まるまで特にはらはらしながら読んでいました。私もしどーさんのようなかっこいい戦闘シーンが書けるようになりたいです! 切実に!><
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。
次回作も楽しみにお待ちしております!


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