Mistery Circle

2017-10

《 密室0922からの脱出 》 - 2012.07.26 Thu

《 密室0922からの脱出 》

 著者:白乙







【プロローグ】
 テーブルの隅に置かれたランプがじりじりと音をたてている。橙色の明かりが照らすテーブルの上に、細身の男はトランプを二枚捨てた。
「さあ、君の番だ」
 男が自身の手札を差し出す。カードは二枚。人差し指で何度もなぞりながら、正解の一枚を吟味する。
 意を決して、右端のカードをとる。結果は……またジョーカーを引かされたのか。
「ははは、顔にでてるぞ。君もそろそろポーカーフェイスってやつを覚えないとなあ」
 ジョーカーを含めた手札を切りなおしていると、男が自分の頬をつついた。無意識のうちに頬を膨らませていたらしい。子ども特有の柔らかい肌は簡単に形を変える。
 容赦なく自分をつつく指をはらい、手元のカードを男に押し付けるように差し出した。
「うるさいな、二人なんだから手札なんてすぐわかるでしょ。早くとって」
「それにしてもってやつだ。感情や思考が顔に出やすいと、その分相手に付け入られるぞ」
 こんな風に。その人差し指が取ったのはスペードのジャック。手元には先ほどのジョーカーが残され、自分の敗北が確定した。これで三度目だ。
「君、ジョーカーをずっと見てるんだもんなあ。バレバレなんだよ」
 自慢げにカードを捨てる男の顔が憎らしくて、テーブルの下で男のすねを蹴りつける。痛がるそぶりをするが、子どもの、しかも裸足で蹴られたくらいで大して痛くないだろうに。
 膨れた自分は、じっと手元のジョーカーをにらむ。ひょうひょうとした道化師の絵柄がニタニタと嫌な笑みを浮かべている。
 ジョーカーは嫌いだ。みんなからの嫌われ者。他人から他人へなすりつけられ、最後まで持っていた人間に敗北と不幸をもたらす。その姿がどこか自分を連想させて―――。
 そこで手札を取り上げられ、思考は途切れた。指先でカードを持て遊ぶ男が困ったように笑う。
「また余計なことを考えているだろう」
「別に」
「俺は何度だって君に言うが、君は悪くない。生まれも育ちも、こうして制限された暮らしをしているのもすべて大人のワガママさ。君を閉じ込め、手に入れた気になっている奴らのな」
「……」
「だがそれは間違いだ。君の手札は、君自身が持っている」
 男は指先のカードを、自分の眼前に差し出した。大げさに笑う道化師と目が合う。
「確かにババぬきでジョーカーは悪者だが、別のゲームでは最強の切り札となる。対抗できるのは同じジョーカーのみ」
 男はもう片方の手で、色違いのジョーカーを差し出した。受け取ると、二枚のジョーカーは自分の小さな手のひらの中で笑い続けている。
「ゲームをかえればジョーカーは最強になる。それは君も同じさ。だから今は、次のゲームに備えて力を蓄える時だな」
 男の平たい手が自分の頭をなでる。背が縮むかと思うほど強く押されて男をにらむが、あえてふり払うことはしなかった。この男は抵抗すればするほどかまいたがる人間なのだ。
 ようやく手を離したかと思うと、手元のジョーカーを取り上げられた。先ほどまで自分を撫ぜていた細くしなやかな手がトランプの束を手早く切る。
「本来こういうゲームは大人数でやるのが楽しいのさ。いつか君にも味わってもらいたいね……まあ、夜は長い。今日は眠くなるまでおじさんに付き合ってもらうぜ」
 そういいながら男は手早くカードを配る。男と配られたカードを見比べ、ふたたびカードを手に取った。
 時刻は夜の九時。月明かり一つささない部屋の中で、男との終わらない遊戯は続く。



【1】
 レオン・ウォーカーが目を覚ますと、見知らぬ部屋の中にいた。
「ここは……」
 重いまぶたをこすりながら体を起こす。自身の身体はむき出しのコンクリートの上に転がされていた。仕立てたばかりの黒スーツにしわが寄っている。うわ、と声を上げながら立ち上がり、レオンは周囲を見渡した。
 天井から床板まで打ちっぱなしのコンクリートで覆われており、冷蔵庫や本棚、ベッドなどの最低限の家具が取り揃えられた部屋だった。殺風景かと思えば、壁掛け式のカレンダーや生花のいけられた花瓶がおかれていたりと妙に生活感がある。天井の四隅には監視カメラらしきものが取り付けられており、すべてのレンズがレオンの方へ向けられている。他に変わっているものといえば、部屋と出入り口のドアの境目に牢屋のような鉄柵が取り付けられていること。それと部屋の壁一面に設置された大型のパネルだ。百八十センチ以上あるレオンより頭一個分高い位置にあるそれは、どうやらデジタル時計の一種らしい。
「時計……いや、タイマーか?」
 黒地にオレンジ色の文字が浮かんだ文字盤は二時間五十八分を示しており、少しずつ時間が減っていっている。秒単位で時を刻んでいるそれは大きさの割に随分と几帳面なようだ。
「お目覚め?」
 思考を続けるレオンの耳元に、じゃらり、という鎖の音と甘みを含んだ声が飛び込んできた。目をむけると、ベッドのすぐ脇に、パーティドレスを身にまとった黒髪の美女が座り込んでいるのが見えた。よく見ると、頭上に掲げた両手は手首を鎖で何重にも結ばれており、ベッドの柵につながれている。
「はじめまして、私の名前はスフレット、スーって呼んで」
 そういってほほ笑む表情はあどけないながらも妙に落ち着いている様子だった。年はレオンと変わらぬ二十代前半位だろうか。傷一つない艶やかな肌が纏うのは胸元が大きくはだけた真紅のドレスで、彼女が足を動かすたびにふっくらとした太ももがスリットの隙間からのぞく。ややカールのかかった長い黒髪は左耳上あたりで一つにまとめられており、流した前髪の隙間からのぞくカーキ色の瞳は、息を飲むほどに美しい。
 牢屋のような部屋に、拘束された美女。わかりやすい非常事態に、レオンは戸惑いを隠せない。
「君はいったい……いや、それよりもまずはその鎖をとらないと」
「ストップ」
 鎖を解くために肩に触れようとした手を、スーと名乗った女は声だけで静止する。
「何を」
「忠告よ。生きてこの部屋を出たかったら、私に触れないで」
 女の言葉にレオンは困惑する。そのままスーは赤いヒールの先でテーブルを示した。
その上にはメモの切れ端が置かれている。これを読めというのか。
「『はじめまして、ボクといのちをかけたゲエムをしよう。3じかん以内にこのろうやをでたら君の勝ち。でられなければ君は一生暗い土の中。すべてのカギは彼女がにぎる。大事にあつかい、ともにろうやからでること。けん命をいのる』……なんだこれは」
 おそるおそる手に取ると、子どもが書いたような文字で物騒な単語が並べられていた。困惑の表情をそのままにスーに目線を向けると、紅をつけた唇が弧を描く。
「そのメモの通り、アナタはこの部屋に閉じ込められたのよ。あと三時間以内にここから出ないとアナタは死ぬってこと。ついでにいうと、不用意に私に触ると銃で撃たれて死ぬから気をつけてね」
 あまりにもあっけからんというので、最初はどこかの放送局のどっきりかと思った。しかし彼女の様子を見るに冗談ではないらしい。
「……嘘だろ」
 レオンは思わず天を仰いだ。



【2】
 世の中には奇妙なものであふれかえっている。
 有名どころで例をあげるならUFOだろうか。ネバダ州南部にあるエリア51をはじめ、いたるところで観測される未確認飛行物体。プラズマとも宇宙人の乗り物ともいわれるそれは今だ解明されておらず、現代も日常の陰にさす怪現象の一つとして数えられている。
 だがレオンはそういった奇妙な話を全く信じていなかった。
 家は熱心なキリスト教だったが、レオン自身には信仰心のかけらもない。幽霊も怪物の類も、それこそUFOだって信じていない。自身を取りまく世界にファンタジーな生物は存在せず、すべては科学の進歩によって説明できるのだと思っていた。我ながら冷めた子どもだったと思う。
 だが、今レオンを取りまいている現状はある意味怪現象のように思えた。
 目が覚めたら拘束された美女と一緒に牢屋に閉じ込められ、命を懸けたゲームに挑戦することになるとは。
「まったく映画みたいな話だな」
 レオンはネクタイをゆるめながらため息をつく。秋口とはいえ、窓のないコンクリートの部屋でスーツ一式をまじめに着こむには暑すぎる。ついでにジャケットを脱ぎ、アイロンのきいたシャツを腕までまくった。
 壁に埋め込まれた電光時計はすでに十分がすぎていた。一秒ごとに規則正しい電子音がピ、ピ、と鳴り、それが余計にレオンの余裕をそいでいく。
 そんなレオンの様子に座り込んだスーが話しかけてきた。拘束されているというのに、彼女だけはこの部屋で唯一のんびりとした時間を過ごしている。
「私は名乗ったわけだけれど、アナタは名前を教えてくれないの?」
「スフレット、といったか。悪いが俺はこういった突飛なことが苦手なんだ。あー、俺はレオン。こんな状況で言うのも変な感じだが、どうぞよろしく」
「スーでいいわ、レオン。どうぞよろしく」
 足を組みなおしながら、レオンと同じ言葉を繰り返す。ドレスの裾が大いにはだけ、反対側の太ももまであらわになる。大変目に悪いのでレオンは自分の上着を彼女へ進呈した。
「暑いからいいのに」
「俺が目のやり場に困るんだ。それよりスー、ちょっとこの状況の整理をしたいんだが、いくつか質問に答えてくれるか」
「あら、時間制限があるのに随分余裕なのね」
「それはこっちの台詞だ、君もボクと同じ立場だろう」
 苛立ちのせいで少しにらんでしまったが、彼女は臆することなく話を続ける。むしろ一人焦るレオンの様子を楽しんでいるようにさえ見えた。
「残念、私はあくまでこの部屋の一部、牢屋に連れてこられた人物を見定める人間よ。アナタと大きく違うのは、私は三時間以内に脱出しなくても死ぬことはないってこと。つまりアナタより優位に立っているの」
「ベッドに縛られているのにか」
「そうねえ、めったにない経験じゃない?」
 けらけらと笑う表情に危機感はない。だが、言っていることは間違いではないのだろう。
(ここで殺されるのはごめんだ)
 時間が惜しい。レオンは質問を三つにまとめることにした。
「まずは一つ。この部屋には何人の人間が連れ込まれ、脱出したのは何人だ」
「連れ込まれた人間はあなたを含め五人、うち脱出したのは零」
 つまりレオンより前に連れ込まれた人間は全員殺されたということだ。よく見れば、床の足元に血をふいたあとが残っている。
「……二つ目。前の四人はどの段階で殺された?」
「鍵三つ目で脱落したのが二人、二つ目が1人。目が覚めた時点で私を襲って撃たれた奴が一人」
 スーの腕についた錠は三つ。それが解けても脱出できなかったということは、それとドアのカギは別ということか。
「最後の質問だ。君は敵か、味方か」
「現段階では『どちらでもない』よ。アナタが私を楽しませてくれる存在だとわかったら、この部屋を脱出するヒントをあげる」
 机の上のメモには彼女を大事にしろと書かれていた。つまり彼女を味方に引き込めるかどうかが、この部屋を脱出するうえで非常に重要になってくる。
(さて、どうする?)
 この時点で選択肢はいくつか存在する。この部屋を生きて脱出することは最優先事項として、この正体不明の美女を信用するかどうかがポイントだ。なにせこのメモも、美女の話もまだ確定的ではない。この部屋を脱出するには、彼女を楽しませるというある種の信頼を築かなければならない。加えてカギを探すとなれば、三時間ではとうに足りない。生真面目で堅物なレオンには難しい。
(スーが本当に信頼できるのかだけでも知りたいところだが)
 とにかく今は時間が迫っている。まずは行動してからだ。
「よし、鍵を探そう」



【3】
 一つ目のカギはすぐに見つかった。戸棚の本の中に挟まっていた。足元にちらばった本をどかし、すぐにスーの元へ向かってカギを外す。身体に触れないように、という意識が強いせいで妙に緊張してしまう。
「まだ先は長いな」
 はずした錠前を数度宙に投げ、ポケットにしまった。
 スーが景気のいい口笛をひと吹きする。
「おめでとう、一つ目はクリアね」
「どうも。君はのんきだね」
「見てるだけはね。退屈だから早くカギを解いて頂戴?」
「……」
残るカギは二つ。
(カギ以外に見つかったのは……時計だ)
 レオンの手に握られているのは壁掛け時計だ。梯子を上った先に取り付けてあったそれは振り子式のもので、およそ八十センチくらいのそれなりに大きい作りとなっている。ただし動いてはおらず、九時二十二分をさしたまま針が止まっている。
 レオンは他に物がないか牢屋の中をあさった。冷蔵庫の中はどこの家庭にもあるような飲食物だけ。そろそろ小腹がすく時間だが、さすがに用意された食料を口にする気はない。隣にあったワインクーラーには高級そうなワインがいくつも用意されていたが、それ以外に気になるものはなかった。
 次にベッドわきに置かれたサイドボードをあさる。丈夫な作りのそれは二段に分けられたやや小ぶりのもので、太く丈夫な木を重ねて作られた高級品だ。ワインクーラーといいこのサイドボードといい、この牢屋には牢屋に似つかわしくない高級品ばかりが並べられている。
 と、戸棚の二番目をあさっていたとき、何か細長いものがレオンの指に触れた。引っ張りだすと、五ミリ幅のマイナスドライバーが出てきた。
「……ふむ」
 レオンは時計の置いてある机へ移動し、時計を裏返した。四隅にねじがとりつけられており、ドライバーの位置をあわせるとぴったりと合う。
「ねえレオン、アナタはこの牢屋に来るまで何をしていたの?」
 ねじを外していると、ふいにスーが話しかけてきた。
「なんだい急に。俺は忙しいんだが」
「だって退屈なんだもの。それに、単純作業しながら状況整理するにはおしゃべりがうってつけじゃない?」
「……そうか?」
 いや違うだろう、この状況で何をのんきにと思ったが、確かに今の状況を把握し切れてないのも確かだ。小さなドライバーをくるくると回しながらレオンは重い口を開く。
「……今日はとある会社の面接にきていた。そこで二人の面接官といくつか言葉を交わして、出されたコーヒーを飲んだ。面接が終わり、会社から出て……記憶がない。急にめまいがして倒れたんだ。気づいたらこの牢屋の中にいた」
「それは災難だったわねえ」
「まったく訳がわからない。せっかく叔父さんがあっせんしてくれた面接だったのに。一張羅のスーツもだいなしだ」
 レオンはズボンの裾を持ち上げる。つもった埃がこびりついてしまっている。このスーツも叔父が今日のために仕立ててくれたのだ。
「確かにいいスーツよね。新人君が着るにはハイブランドすぎるくらい」
「そうなのか? 俺にはよくわからないが」
「アルマーニの新作よ、安く見積もって千ドルはくだらないわ」
「千ドル! 冗談だろう」
 レオンはあわてて裾のほこりを払った。時計のねじがいくつか飛んで行ったがかまってるヒマはない。
「これじゃ大金を着て歩いているようなもんじゃないか。いったい何を考えているんだ叔父さんは……」
「ふふ、随分可愛がられているのね」
「本当にね、こういうとき嫌というほど感じるよ」
 床から椅子に座り直し、再度時計のねじを外す。
 レオンの叔父ことスワッド・フォークスは、レオンより二回りほど離れた母方の叔父だ。叔父といっても相当の若作りで、下手をすればレオンの兄といわれても納得されるくらいに年齢を感じさせない。わざと白く染めた髪色にややフラットな着こなしのスーツを普段着にして過ごしている。黙っていれば相当の美青年なのだが、ひょうひょうとした性格と面白いことが大好きな性質をもった非常に厄介な人物で、いろいろと謎の多い人だ。レオンはいまだに彼の職業さえまともに知らず、たとえ尋ねたところでやれ冒険家だ軍人だ警察官だと適当な職業を羅列されるだけなのだ。冒険家が甥っ子に千ドルもするスーツをポンと与えられるわけがない。
 多忙な割に子ども好きのかまいたがりで、暇さえあれば山へ海へと連れてかれ、クタクタになるまで全力で遊ばされる。
(まあ、そのおかげで発作持ちだった俺がここまでデカくなれたわけだが)
 かまえば疲れ果てるまで遊びに付き合わされるし、かといってかまわなければ拗ねて面倒なことになる。生真面目な性格のレオンにはなかなか難しい相手だった。
 ただ、わけあって叔父に引き取られたレオンを成人するまで世話を焼いてくれたのも事実だ。ここまで育ててもらった恩をまだまともに返せていない。
(だからこそ、また生きて叔父さんに会うためにも、どうにかしてここを脱出しないとな)
「……開いた」
 そうこうしているうちに時計のねじがすべて外れた。中から出てきたのは手錠のカギと、指輪ケースほどの小さな小箱、そして紙切れが入っていた。
 まずは手錠のカギを外す。残るカギは一つだ。
「順調ね」
「そうでもないさ。ここまでで残り時間は半分だ」
 レオンは錠前をポケットにしまうと、小箱に目を向ける。
 手の中にすっぽり収まってしまうほどの小さな小箱には、四ケタの数字を入力するボタンがついていた。小箱の下にはメモの書かれた紙切れが挟まっている。
 レオンは紙切れを手に取った。中にはメモがかかれている。
『時間の先を行け。0856→0925、1261→0130、1082→????』
 先ほどの乱雑な文字とは違う流ちょうな字で書かれていた。同じ四ケタの数字からして、小箱の暗証番号と関係があるのかもしれない。念のため小箱に時計の針の時刻を入力したが、反応はなかった。
「何かの暗号なんだろうが。これだけじゃ何かわからないな……スー、これがなにかわかるか?」
「んー、そうね。なんとなくわかるけど……教えるのはイヤ、っていったら?」
「君はこの部屋を出たくないのか?」
「だってレオン、アナタってばさっきから私のことを放って探索ばかりなんだもの。退屈しちゃう」
「君ねえ」
「忘れないで、このゲームで重要なのは『私とともに』この牢屋から脱出すること。アナタが私の拘束を解いても、制限時間中に私が逃げ回ればアナタは負けるの。あ、もちろん無理に私を捕まえようとしたってムダよ、私に触ればあそこの穴から銃で撃たれるんだから」
「う」
「せっかくの状況だもの、楽しみたいの。アナタがどうやって私をその気にさせるのか」
 この部屋を出るにはスーの協力が必要だ。そしてスーの協力を得るには何か彼女に気に入られる行動をしなければならない。これじゃあ暗号を解くどころではないだろう。
(こういった交渉術はおじさんの得意分野なんだがな)
 はたして彼女に気に入られるにはどうするべきか。
(……おじさんなら、どうするだろうか)
 ちらりと牢屋の向こう側を見る。コンクリートの分厚い壁には、窓ガラス二枚分の霧ガラスと五センチほどの穴が開いていた。床の血痕が拭かれた形跡の位置と比べて、おそらく前の五人が撃たれたのはあの穴からだろう。
「……」
 レオンはサイドボードをかかえた。重厚な作りのそれはやはりそれなりの重さがあったが、運べないほどではない。ベッドの枕側にあったそれを、スーの左側に移動させる。
「あら、今度は何を考えているのかしら?」
 スーの問いかけには答えず、レオンは棚の後ろに身体を入れた。壁が近いせいで多少狭いが、入れないことはない。
(これで準備はよし。あとは……うまく生き残れるかだ)
 考えれば考えるだけ頭が痛くなる。だが、行動に移すしかないだろう。
 レオンは大きく息を吸い、意を決して彼女の名前を呼んだ。
「スー」
「なあにー?」
「簡潔に言おう、俺は君の言葉を信じていない」
「……」
 スーの切れ長の瞳がうっすらと細くなる。レオンは動揺を悟られぬように懸命に顔をつくろった。
「同じ牢屋に閉じ込められてはいるが、君が共犯という可能性は捨てきれない。俺の前に殺された五人の話も、もしかしたら君の狂言かもしれないだろう。そして君も、今の時点では俺に協力する気はないという」
「ふうん、それで?」
 じっとりとした目線がレオンに向けられる。
「俺にとって重要なのは、君の言葉がどこまで信頼できるものなのかだ。俺は今からそれを確かめる。それがどこまで君を楽しませるかはわからないが……もしそれで君が満足できたなら、俺に協力してもらうからな」
『いいかレオン。交渉で勝つには、何も相手より有利なものを持っていることだけじゃない』
 叔父の言葉を思い出す。幼い頃、トランプの片手間に話したたわいもない会話だ。
『ようは使いどころだ。大富豪で手札にジョーカーがあっても、最後まで使わずに負けたら元も子もないだろう。まずは相手の懐に切り込む一枚』
 叔父がテーブルにハートの8を出す。八切りだ。出されたカードはそのまま脇に流され、そのまま叔父の番になる。
『次に相手が対抗できない組を出す』
 続けざまに5と5の二枚組、4と5と6の階段三枚組、残り一枚しか手元にないレオンはなすすべもなく、ただテーブルの端に流れるトランプの束を眺める。
『そして、とどめだ』
 叔父が最後に出したのはクローバーの3。革命を起こしていない大富豪のゲームでは最弱のカードだ。レオンは思わず最後の手札を取り落した。じりじりと音をたてるランプに照らされたのは、最強のジョーカー。
 叔父の手札は決して強いカードがあったわけではない。だというのに、レオンは負けてしまった。
 勝者となった叔父は満足そうに伸びをしながら長椅子にもたれかかる。
『ま、すべてがそう上手くいくわけではないがな。だが自分が圧倒的不利な状況なら、やってみる価値はあるだろう。懐に切りかかった相手が煽りに乗ってくれれば上々だな。せいぜい励むことだ、健闘を祈るよ』
 そういってふくれつらのレオンの鼻先をはじいていた。悔しかった自分はそのあとも何度も叔父に挑んでみたが、結局その日は勝てずじまいだ。
 だが、今回は相手が違う。
「……いいわよ、私が満足できるならね」
 冷静さの中に半分期待のこもったまなざしを向けられる。どうやら自分の煽りに乗ってくれたようだ。
(よし、あとは彼女に触れれば……)
 レオンはスーの身体をまたぐように覆いかぶさり、彼女の顔を覗き込む。対するスーは興味津々のまなざしでレオンの動向をうかがっている。
 作戦としては、とても安全とは言い難いかなり危険なものだ。まずはレオンがスーの肩に触れる。自分に触れれば撃たれるという彼女の証言が正しければ、レオンはその場で銃に撃たれることになる。もし本当に撃たれればスーの証言は信用できるし、撃たれなければ彼女は信用できない。
 下手をすれば自分が銃撃されることになるが、それでも彼女の気を引くには十分だろう。スーは目の前で五人の人間が殺されてもけろっとしているのだ。そんな彼女を楽しませるには、自分が命を賭けるしかない。
(スーに触れて、すぐにサイドボードの後ろに隠れる。そうすれば弾はよけられる。大丈夫だ、俺ならできる)
 スーの肩へ向けて手を伸ばす。緊張を悟られぬよう、また、すぐに動けるようにとレオンは素早く腕を振り下ろした。
 だが、それが間違いだった。
「あ」
 気づいたときにはもう遅い。スーの口からも戸惑いの声がもれる。
「……は?」
 スーの肩に触れるはずだった自分の手は、なぜか彼女の胸をつかんでいた。
「~~~!」
 声にならない叫びがレオンの口から飛び出す。
 柔らかい、と感じる前に、壁の向こうから強い殺気を感じた。直感のままに身体をはねさせ、移動させたサイドボードの陰に隠れる。
 直後、狙撃音とともに無数の衝撃が走った。
 思った通り、銃弾が放たれたのは格子戸側にそなえられた壁の穴からだ。床から二メートルほどの高さのところに空いている穴から伸びた銃口がサイドボードに無数の穴を開ける。弾を撃ち終えると、銃口は穴から抜かれた。物音が聞こえていることからすると、替えの弾を装填しているのかもしれない。
 レオンはサイドボードから少しだけ顔をのぞかせる。銃弾の衝撃は相当のものだったが、分厚い作りのサイドボードは一度も貫通することなく耐え抜いた。家具にも防具にもなるとはさすがは高級品だ。
 スーの方を見ると、レオンが触ったときのまま硬直して動かない。端正な顔立ちに浮かべていた意味深な笑みは消え、大きく瞳を見開いて驚いている。
「……」
 硬直した表情のスーと目があう。互いに押し黙ったまま、数秒の沈黙が流れた。
 レオンは、大変居心地の悪い思いを感じながらつぶやいた。
「……たしかにあんたの言うとおり撃ってきた。不本意だが、俺はあんたを信用する」
 途端、女の顔が思い切り吹き出した。
「ちょ、ちょっとレオン、ふふ、なにそれ、おっかしいわ!」
 スーが身をよじらせながら大笑いしている。腕をつながれていなければ腹をかかえて床上をころがりそうなほどに。
 スーの笑いように顔を真っ赤にして叫んだ。
「違う! 君の肩をつかんで撃たれるか確認したかっただけだ、他意はない。だが……その、目測を誤って」
「アナタみたいな堅物が女の胸をわしづかんで、しかも自分で触りながら真っ赤になって!」
「だから悪かった! もう勘弁してくれ」
 耳どころか首まで熱をもち、赤くなっているのがわかった。強烈な羞恥に生きている心地がしない。
「もういい、このまま撃たれて死ぬ……」
「ああ待って、ふふ、からかいすぎたわね。いいわ、なんだって協力させて頂戴?」
 いまだ荒い息の彼女が、満足そうに微笑んだ。最初の作戦とはだいぶかけ離れたが、結果的にうまくいったようだ。
 レオンは苦虫をかみつぶしたような顔をしながら、格子戸側の壁を指で示した。装填が終わった銃口がいまだこちらに向けられている。
「じゃあ、スナイパーに俺を狙撃しないように交渉してくれ。このままじゃ一生サイドボードから離れられない」
「了解」
 女は監視カメラに向かって足を揺らし、合図を送る。すると穴から銃がひかれた。まだ殺気は感じるが、それでも追加で撃たれることはなかった。
「まったくひどい目にあった」
 レオンはおそるおそるサイドボードから顔をだす。いまだ穴の方から殺気が感じられるが、これで狙撃される心配はなくなった。
 さて、ようやく小箱の暗号だ。きっとあの紙切れがヒントになっているのだろうが、謎かけが苦手なレオンには見当もつかない。
 レオンは紙切れをスーの前にかざした。
「小箱を開ける暗号がわからなくて困っているんだ。おそらくこの紙に書かれている謎かけがヒントになっているんだと思うんだが、君、なんだと思う?」
「ふうん」
 スーは顔を寄せ、じっと紙の暗号を見た。
「そうねえ、私はあれが関係していると思うわ」
 そういってスーが目線を向けたのは、壁に取り付けられた真新しいポスターだった。そこには月めくり式のカレンダーとなっており、ちゃんと一月から12月までそろっている。
「カレンダーか?」
「そ、この謎かけは日付がかかわってくると思うの。この四ケタの数字、左二ケタは月と同じ数でしょう」
「本当だ。08は八月で12は十二月ということか。だが八月五十六日なんて聞いたことがない……いや、待てよ」
 レオンがカレンダーを数枚めくり、暦の上を指でなぞる。
「日付、時間の先……そうか!」
 レオンがポケットにいれていたペンをとりだし、カレンダーの裏に書き込む。
(0856は八月五十六日、つまり九月二十五日、1261は十二月六十一日で一月三十日)
「1082は十月八十二日だから……十二月三十一日か」
 小箱に数字を入力すると、音をたてて箱が開いた。
「Thats great!(お見事!)」
 スーの歓声が牢屋の中に響き渡る。中から出てきたのは手錠のカギだ。
 カギを外すと、スーは体を起こして大きく伸びをした。
「ん~! やっぱり腕が自由なのは素敵ね。ありがとうレオン」
「どういたしまして」
 ひとごこちついたレオンは壁の時計を見る。時間は残り一時間を切っていた。
(あとは牢屋のカギを探すだけ、もう一息だな)
 時間にはまだ余裕がある。その上スーは自分に協力的だ。
 楽勝とはいかずともかなりゆとりがあるだろう。
「さっさと牢屋のカギを見つけてここを出よう」
 気持ちが楽になったレオンは再度部屋の中へ向き直った。



【4】
 だが、そこからが長かった。
「なんで牢のカギが見つからないんだ!」
 レオンは散らばった本の山の中で頭をかかえる。
 あれからおよそ四十分、部屋の隅から隅まで、それこそ石畳の溝まで探してもカギが見つからない。最初こそスーツを汚さないよう気をつけて捜索していたが、そんな余裕ももはやなくなってしまった。
「スー、君ものんびりしてないで探してくれないか」
「だってアナタが本棚から床板の隅までさんざん探したんだもの。今さら調べなおしても何も見つからないわ。あなたも一杯飲む?」
「結構だ!」
 短い金髪を荒々しくかき上げる。スーに至っては貯蔵庫からだしたワインを勝手に開けて飲んでいた。一本足のハイテーブルにひじをつき、グラスを掲げる様は腹立たしいほど優雅で様になっている。彼女自身は命にかかわっていないので落ち着いているのは当然だろう。
「それにこの牢屋を出るカギだけは、私からヒントは出せないの。頑張って頭をひねるのね」
 壁のタイマーの秒針音が大きく聞こえた。残り時間はあとわずか。レオンは一人頭をかかえて思考を巡らせる。
(本棚も冷蔵庫もベッドも調べた。謎解きらしきものももうない。となればカギはどこかに隠されているだけのはず)
 ああ、脱出まであともう少しなのに。レオンは瞼をおさえながら、深呼吸をした。だが冷静になろうと思えば思うほど、焦りは大きくなっていく。
(それにしてもなぜスーはヒントをくれないんだ。さっきはあれほど協力的だったのに)
「ふう……ん?」
 少し落ち着こうとレオンが床の上へと座り込む。コンクリートの石畳に手が触れたとき、かさりと音がした。
(これは、最初のメモか)
 レオンはなにげなくメモを拾い、つづられた文字を読み返した。
『はじめまして、ボクといのちをかけたゲエムをしよう。3じかん以内にこのろうやをでたら君の勝ち。でられなければ君は一生暗い土の中。すべてのカギは彼女がにぎる。大事にあつかい、ともにろうやからでること。けん命をいのる』
(すべてのカギは彼女がにぎる、か)
 握りつぶした紙はぐしゃぐしゃで、ミミズのはったような文字がさらに読みにくい。だが、その文字こそが、レオンの頭をひらめかせた。
(……まさか)
「スー」
「なに?」
 声をかけたスーは優雅にワインを飲んでいる。血のように濃い赤色のがグラスの中でゆらゆらと揺れている。
 レオンは眉をひそめながら、彼女に確認を取った。
「まさか君、この牢屋の鍵をもっていたりしないだろうね」
 優雅に傾けていたグラスの動きが、ぴたりと止まる。
「……」
 まだ幼さの残る顔立ちが蠱惑的な笑みを浮かべた。
「Large correct answer!(大正解!)」
 ウインク一つ。声を高らかに、スーはテーブルにワインをぶちまけた。
 飛び散る鮮やかな赤。
 からりという音とともに現れたのは、黄金に輝く小さな鍵だった。
「~~~!!」
 言葉にならないレオンの怒りがこみあげてくる。時間の無駄、徒労もいいところだ。
「君ねえ! どうしてもっと早く言ってくれなかったんだい」
「あっはは、そのリアクション最高よレオン! ここまで来る人は初めてだわ」
「そうだろうね。まさかあのメモがそのままの意味だったなんで誰も思わないさ、まったく。このゲームを仕掛けた奴らはいったい何を考えているんだ!」
 レオンは今日吐いた中で一番大きなため息をはく。彼女が牢屋のカギを持っていたということは、最初から知っていてレオンをもてあそんでいたのだ。一人で必死になっているのを心の底で笑っていたのかと思うと、怒るどころか力が抜けていく。
 とにもかくにも、文句をいうのはここを出てからだ。レオンはテーブルのカギを奪うようにひったくると、大股で鉄格子の扉へ向かう。赤ワインに濡れたカギは多少酒臭かったが、鍵は問題なく開いた。
 錆びた鉄の音とともに重苦しい扉が開く。ふりかえると背後のタイマーも止まっていた。
「終わったのか?」
「ええそうよレオン。おめでとう、勝者はあなたよ」
「……まだなにか隠してないだろうね」
「もう何もないわよ。牢の鍵を開けた時点であなたの勝ち。あの鉄の扉はカギがかかってないから、そのまま外に出られるわ」
 扉の向こうにはもう一枚頑丈そうな鉄の扉が見える。
「わかった、わかったから。あんまりくっつかないでくれ」
 スーが甘えるように抱きついてくる。背中に押し付けられた柔らかな感触に耐えきれず彼女を引きはがした。
「とにかくこの部屋から出て、俺たちを閉じ込めた犯人を捕まえないとな。まったく一体何の目的があって……」
 レオンはドアノブに手をかける。ひんやりとしたドアノブはそのままゆっくりとまわり。
 そしてかちゃりと音を立てて―――止まった。
「どうしたの、レオン?」
 何度をドアノブをひねる。そのたびにノブは途中で止まり、ドアは動かない。
「開かない」
「……嘘」
「君、まさか俺をだましたりは」
「だからしてないわ! この扉には本当に鍵がかかってないの。ちょっと貸して」
 スーはさきほどの余裕がなくなり、自らドアノブに手をかける。どうやら本当に嘘をついてないらしい。
「開かない……どういうことなの?」
 彼女の口から戸惑いの言葉がこぼれる。
瞬間、背後から警告ブザーのような音が響き渡った。
「何だ?」
 振り返ると、止まったはずのタイマーが再び動き出している。警告音と思わしき機械音は断続的に響く。そして天井のコンクリートがはがれ、頭上から無数のライフル銃が現れた。その銃口はすべて、レオンの頭に向けられている。
「一体どうなっているんだ」
「……誰かが作為的にいじってタイマーを再稼働させたのよ。本来なら牢から出た時点で機能が停止するのに、しかも『無理やり牢をこじ開けて出た場合』と機械に判断させてアナタを抹消しようとしている。あと一分と経たずに撃たれるわよ」
「嘘だろ。せっかく脱出できたのに」
「ごめんなさいレオン……とにかく、どうにかして機械を止めさせないと」
「そんな時間はない。とにかく君だけでもどこかへ隠れるんだ」
「でも、止める手段はあるの」
 スーはスリットのすきまから銃をとりだし、一発を隅の監視カメラに向けて撃つ。
「っ」
 銃弾は見事レンズをとらえ、粉々に砕けた。スーはドア付近の監視カメラに向き直り、まだ煙の出ている銃口を―――自分のこめかみに向ける。
「なにを」
「さっき隠していることはもうないって言ったけど、まだあるのよ。実はこの部屋の機能、私の命と連動しているの。私が自分で死ねばこの銃の機能も止められるってことよ。十秒もあれば、この部屋の全システムを止められるわ。まあその前に、暴走させた奴が止めてくれれば上々だけどね」
「だけど、それじゃあ君は!」
「レオン、私はね、ゲームに水をさす奴が大嫌いなの。アナタが命を賭けてゲームに挑んで勝利を得たのに、それを無下にすることは許さない」
 強くぎらついた瞳は監視カメラにむけられている。スーが銃口を向けて以来、警報は止んだが、タイマーも銃も動きが止まらない。
「アナタはゲームに勝った。だから私は、死んでもアナタを守るわ」
 死の間際にいるというのに、スーは笑みを浮かべている。
 その勝気な微笑に、レオンの中の迷いが消し飛ぶ。
 今こそ、“切り札”を使う時だ。
「……なあスー、この扉の先が安全かどうかわかるか?」
「なに急に」
「さっきこの真上の窓から銃が撃たれただろう。つまりこの扉の向こうには撃ってきた奴が最低でも一人いるってわけだ。俺たちがここを抜けた場合、そいつらに撃たれる心配はあるか?」
「百パーセントないわね。さっきあなたを殺そうとした奴も、このシステムを止めるので精一杯でしょうし。もしそれでもあなたを殺そうとする奴がいれば、ルール違反者として私がそいつを殺すわ」
「勇ましいお姫様だな」
 レオンは扉に手をかける。全身の血のめぐりに気を寄せて、全体重を扉にかける。
 その腕がすこしずつ膨らんでくる。
「レオン?」
「だが、命を賭けるのは君じゃない」
 通常の二倍、いや、三倍ほどに膨れ上がった腕に、黄金の産毛が生えた。それはふさふさの絨毛となり、鋭く伸びた爪先は鉄の扉に後を残した。
 レオンの喉元から、獣のうなり声がこぼれ出る。
(もうどうなってもいい。たとえ彼女におびえられようが、彼女が自由になるならそれでいい)
 やがてレオンの顔にも金の産毛が広がり、立派なたてがみとなった。
「レオン、まさかアナタ……」
(悪いな、もう君を楽しませることはできないみたいだ)
 その声はもはや言葉にならなかった。開いた口から鋭い牙がのぞき、完全にライオンとなったレオンは獣の咆哮を上げる。
(――――――ッ!!)
 のこり十秒。レオンはスーの細い体に腕を伸ばし、自分のふところへ引き寄せる。
そして、全体重を乗せたもう片方の拳を、思い切り扉にぶち込んだ。

****

 がこん、と勢いよくひしゃげた扉に、レオンは転がり込むように駆け込んだ。
 コンマ数秒。先ほどまでレオンが立っていた場所に無数の弾丸が放たれる。コンクリートに跳弾した弾が扉のすきまから飛び込んできた。
「きゃあ!」
 悲鳴を上げるスーを扉の陰におろし、レオンの獣の目は室内を見渡す。
 薄暗い部屋はそのまま牢屋とつながっていたらしい。ほこりの匂いがする室内はまるで学生の頃に見た放送室を連想させる。牢屋側の壁に取り付けられた無数のパネルには監視カメラの映像が映し出されており、その画面の前に小柄な人影が見えた。
「……!」
 突然現れた猛獣に驚いたことだろう。ひどく慌ただしい様子でなにか棒状のものを構える。さきほど牢屋で自分を打ってきたライフル銃だと気づくと、レオンはそのまま駆け出して獣の腕を振るった。
「わっ!」
 銃を払った衝撃で相手が床へと倒れこむ。その隙を狙い、顔面を押さえて鋭い爪を振り下ろそうとした。
 が、その腕は途中でとまった。
(―――、子ども?)
 レオンが組み敷いたのは、まだ十歳にもならないような少年だった。くすんだ赤髪に自分の腕をつかむ細い腕。黒いシャツに迷彩柄のズボンをはいた姿は、はたから見ればただのやんちゃな子どもだが、先ほど自分が少年から奪い取ったのは本物の機関銃だ。
 琥珀色の瞳が自分をにらみつけ、押さえつけた自分の腕をはらおうと必死にもがいている。これにはさすがのレオンも困惑した。
(どういうことだ。まさかこんな子どもが、俺たちを閉じ込めていたというのか)
「そこまでよ」
 レオンが振り返るよりも早く後頭部に棒状の何かが押し付けられる。熱を感じるそれは、さきほどまで彼女が自身に向けていた拳銃だ。
「……」
 薄暗い部屋の中、沈黙が流れる。銃口の熱がじりじりと皮膚に焼き付き、その痛みが切れかかったレオンの理性を取り戻していく。
 そして、ゆるりと糸がほどけるように、レオンの姿が人へと戻っていく。
「まさかアナタが“獣憑き”だったとはね。いえ、正しくは先祖がえりというべきかしら」
 その呼び名はレオンにとってひどく懐かしいものだった。



【5】
 世の中には奇妙なものであふれかえっている。
 たとえばUFOだとか、吸血鬼だとか。未だ科学で説明できないことが多い謎の生命体だとか。
 その中でレオンの身体を苦しめていたのが、獣憑きと呼ばれるものだった。
 狼男を例に挙げれば話は早いだろう。普段は普通の人間と同じ姿をしている、満月を見ると狼に姿を変える化け物だ。そういった獣への変身能力を持つ人間を、獣憑きと呼ぶらしい。
 そして、レオンもまたその獣憑きだった。
 月に数度、一定の周期でレオンの身体はライオンへと姿を変える。狼男ならぬライオン男となった自分はそのたびに理性を失い、暴れまわる。まるで本当の猛獣のように衝動がおさえられなくなるのだ。そのたびに鉄格子の部屋に入れられ、俺はその発作が治まるのを待った。
 ある医者は『病気だ』といい、ある宗教家は『呪いだ』といった。はたまたある科学者は遺伝子の隔世遺伝による先祖返りではないかと話していた。
 善良な一般市民だった両親は、すがる思いで彼らの元へレオンを治療するよう依頼した。あらゆる検査・治療を施されたが、結局は誰もレオンを人間にはできなかった。
 希望のない日々に、しだいにレオンも両親も壊れていく。両親はあやしげな宗教に傾倒し、毎日祭壇に祈りをささげていた。子どもの目から見てもその姿はあまりに悲惨で。
 そんな日々を救ってくれたのが、叔父だった。
「―――20XX年、ニューヨーク州のとある公園で銃撃事件が起きた」
 スーが銃をレオンの頭にむけたまま、問いかけるようにそらんじる。
「犯人は子どもを人質に公園施設内に立てこもり、四十時間の間警察との硬直状態。警察側が突撃を決めたとき、突然事態が急変。犯人の悲鳴が聞こえ、駆けつけた警察が見たのは全身爪でひっかかれたような重傷を負った犯人だった。目撃者の証言によればライオンらしき猛獣が突然施設に乱入して犯人に襲いかかった……けれど、本当は違う。別の証言者は子どもが突然ライオンになったと話していた」
 レオンの腕が完全に人間のものに戻った。子どもは力の抜けた腕のすきまから這い出て、銃をかまえたままレオンの様子をうかがっている。
「それがアナタなんでしょう? レオン・ウォーカー」
「その通りさ」
 自嘲じみた軽口が飛び出す。
「俺のせいで狂っていく両親を見ていられなくて、俺は家を飛び出した。その時たまたま逃げ込んだ公園で立てこもり事件が起こり、犯人が俺に銃を向けた。初めて感じた死のおそろしさに、幼かった俺がライオン化したってわけだ。その時たまたま通りがかったおじさんが保護してくれなかったら、俺は一生どこかの研究室に居ただろう」
 まっ白ににじむ視界に、過去の思い出が走馬灯のようによみがえる。おじさんと薄暗い部屋の中でトランプをしたこと。山へ連れて行ってもらい暴れまわる中で、少しずつ獣化をコントロールできるようになったこと。面接へいくレオンにとスーツを仕立ててもらったこと。
(それも獣化したせいで、ズボンくらいしかまともに残らなかったがな)
 自分で稼いだお金でおじさんに何かお礼をしたかったが、それもどうやらかなわないらしい。
 レオンは目線だけで背後のスーを見た。顔は良く見えないが、レオンの頭にむかってまっすぐ銃口を向けている。そこに戸惑いもなにもなかった。
「さ、俺からの話は終わりさ。さっさと殺してくれ。じゃないと、暴れて君たちを殺しかねないぞ」
 そうしてレオンは前を向き、銃口に頭を押し付けた。彼女が自分の頭をちゃんと射抜けるように。
「……」
「スー!」
 子どもの叫ぶ声が聞こえた。背後から耳に届いたのは、引き金に手をかける音。
そして、破裂音。
「excellent! (素晴らしい!)」
 スーの歓声が爆発音とともに響き渡った。ただしそれはレオンの頭にではなく、その頭上から。
「は? ……っぶ!」
 思わず見上げた頭上から落ちてきたのは、紙テープの花吹雪。
 顔面に降り注いだそれをまともに浴び、視界があざやかなテープまみれになる。
「あー、だから嫌な予感がしてたんだよ」
 子どもが頭をかかえながらぼやいていた。対するスーは子どものように頬を上気させ、はしゃいでいる様子だ。
「もう、おじさんたらひどい! こんな隠し種を持っていたなんて」
「隠し種? というより、おじさんって……」
「俺を呼んだかな?」
 レオンの真正面、子どもの背後から現れたのは、見慣れた顔。
「よ、レオ坊。面接お疲れ様。よくがんばったな」
 今朝方面接に行く自分を送り出してくれたスワッド叔父さんだった。
「おじさん、なんで」
 困惑するレオンに、年齢不詳の端正な顔立ちが笑みを浮かべ。
「……ぶふ」
 そして、吹き出した。
「あっははは、レオン。お前も女の子の胸をもめるようになるなんてやるじゃないか」
「は、え、はああ!?」
 さきほどの羞恥を蒸し返され、動揺で声が裏返る。まさか叔父も先ほどの光景を見ていたというのか。
 そこへ、スーが叔父の胸に飛び込んでいく。
「おじさーん!」
「おお、スーもおつかれさん。どうだ俺の甥っ子は」
「もう最高よ! まさか私たちの同胞だなんて」
 スーがはしゃぎながら叔父の頬にあいさつのキスを落とし、叔父もまた、彼女のはりのある頬へとかえした。レオンと同じく年の差はかなりあるはずだが、叔父があまりに若く見えるせいで年の近い兄妹にも見える。
「すまない、状況が全く読み込めないんだが。一から説明してくれないか」
 頭をかかえたレオンに、叔父がそっと上着をかけた。さきほど牢屋の中で彼女に渡したレオンの上着だった。
「悪いな、あーそうだな。レオン、今日お前は俺のツテで会社の面接に行っただろう」
「ああ……」
「俺がその運送部門のリーダーで、スーは俺の部下。さらにいえば、君の本当の面接担当官だ」
「つまり、これは君の採用面接ってわけよ」
「」
 開いた口がふさがらない。
「私たちの表向きの仕事は、指定された荷物を依頼人の元へと運ぶこと。ただし普通の運送屋と違うのは、運ぶのが物ではなく情報。いわば諜報稼業ね。この子、ウィルは荷物のガードマンよ。銃の腕は私より精度がいいわ」
 ウィルと呼ばれた少年がむすっとした顔つきでレオンをにらんでくる。
「取り扱うモノがモノだから、従業員も特殊な人間が所属してるの。たとえば私は―――“蛇”」
 スーがレオンの前に手をかざす。真っ白な指先は瞬く間にうろこが生え、一匹の大蛇になった。
「うわっ」
 よろけたレオンの両手首に巻きつき、鎖となる。南京錠こそついてないものの、それはまさしく部屋で出会った彼女についていた拘束具そのものだ。
「アナタと同じ獣憑きよ。ついでに言っておくと、ウィルもネズミの獣憑きね」
「俺と、同じ?」
「そう、私たちは同胞よ。といってもアナタが力を使うまで私も知らなかったけど」
 そういって、スーはレオンに巻きついた鎖に触れる。ふたたび蛇となった鉄の鎖はするすると床を這い、ドレスの裾から彼女の足を這いあがって消えた。
「いやあ、こういうのは隠しておいたほうがおもしろいだろ? それに、本来ならレオンがライオンにならずとも脱出できたわけだしな」
 はっはっはと声を荒げて笑う叔父の姿は全く普段通りだ。
「いろいろと言いたいことはあるんだが、なぜあんな大がかりな仕掛けで面接なんてしたんだ」
「密室、タイムリミット……極限まで追い込まれた状況で、アナタがどう立ち向かうかを見たかったの。牢屋で五人が死んだって話も嘘だから安心して。それにしても、この子が勝手に操作盤をいじるなんてびっくりしたわ。銃は脅かす程度に使っていいとは言ったけど、本当に殺すのはダメよ」
「だってこんな奴が仲間になるなんて嫌だったんだ! 勝手にスーの胸を触りやがって。この変態」
「へ、変態?!」
「ぶふっ」
「おじさんは笑うな」
「ふふ、個性があっていいじゃない。私そういうの大好きよ」
「だから俺は変態じゃない!」
 声を荒げるレオンに、スーは白くしなやかな右手を差し出した。
「ともかく試験は合格よ。私はアナタを仲間として迎えるわ。それでいいでしょ。おじさん」
「ああ、もちろんだ」
「……」
 いまだ納得のいかないレオンにスーは話しつづける。
「死にたければ勝手に死ねばいい。だけど私は全力でアナタを生かすわ。この仕事ならあなたの力を有効活用できるし、もし暴れるなら専用の牢屋だって用意されている」
 優良物件じゃない?
 そういってウインク一つ落とすスー。レオンは傍らの少年と叔父とを交互に見比べる。ウィルはやや不満げだが、ここで文句を言わない以上スーの意見を尊重しているらしい。叔父はもとよりレオンを受け入れる気まんまんだ。
レオンの喉から乾いた声が漏れた。
「はは、まったく」
 君たち、本当に変わっているな。
 そう愚痴りながらも彼女の手を握る。
その表情は、レオン自身が思っているよりずっと穏やかなものだった。



【エピローグ】
 エレベーターの扉が開くと、そこは見慣れた街並みがあった。
 三十階建てほどのビルの真下、コンクリートで舗装された道が放射線状に広がり、沈みかかった夕焼けが一筋差し込んでいる。ビルの隙間からまばらに人影は見えるものの、夜の気配が近づく街にかかった影のせいで表情は見えない。このビルからレオンの暮らしていた街並みが一望できた。
(まさかこんなビルの中にあんな施設があったとは)
 着替えをすませたレオンは眼下に広がる街並みを見渡す。用意された真新しいスーツは、叔父から仕立ててもらった例のスーツと同じものだった。さすがに金額を知った今ではもらえないと突っぱねたが、いつまでも上半身裸でいるわけにもいかんだろうと言われれば黙って着るしかない。こうして塵のまう屋上に立つこそさえ冷や汗ものだ。
 そんな中、スーが先頭を歩きながら業務の説明をする。
「私たちの仕事での禁則事項は二つ。一つは一見して軍人と分かる者、即ち軍服、坊主刈りの者は何人といえど絶対出入りさせないこと。うちはいわば諜報員の養成学校みたいなものよ。余計な部外者とは関わらないでね」
「……叔父さん、たしか昔軍人だったと聞いたが」
「はっはっは。そんな時もあったなあ」
 それはつまり軍のスパイだったと?
 その疑問をつぶやく前に、叔父がスーの言葉をつづけた。
「二つ目はなんとしても生きて帰ってくること。たとえ敵につかまっても、逃げる見込みがあるなら情報は捨ててもかまわんさ」
「それは情報屋としていいのか?」
「荷物は大事だけど、船が沈むなら積荷は捨てるべきよ。そのかわり、情報を吐いた以上に敵の情報を持ち帰ってくること。じゃないと報復できないでしょう?」
 スーが蠱惑的な笑みを浮かべる。レオンは身震いした。
 そんなレオンをウィルはふくれつらのまま釘を刺した。
「言っとくけど、オレはまだお前を認めたわけじゃないからな! この変態」
「……もうやめてくれないか」
「はは、さっそく打ち解けたようだな」
 大きな溝が出来たの間違いではないだろうか。
「さあ、ついたぜ」
 そんなレオンの疑問をよそに、叔父は屋上にレオンたちを案内する。
学校の運動コートほどありそうな開けた屋上に置かれていたのは、二機の小型ヘリだった。
「今は時間がない。さっさと乗ってくれ」
「一体どこへいくんだ」
「商談だ」
 叔父の言葉をスーが遮る。
「これからインドネシアにいって“荷物”を預かるの。まずは空港までこれに乗っていくわよ」
「インドネシア? おい、俺は荷物も何ももってないぞ」
「レオ坊の分のパスポートは用意してきた。それ以外の荷物は……まあ現地調達だな」
 すべてがレオンの知らぬところで進行している。レオンは肩を落としながら叔父と一緒のヘリに乗り込む。もう一つの方にスーとウィルが乗り込んだ。スーは機嫌がいいし、ウィルはなぜか顔が青ざめている。
「スーはヘリの運転ができるのか?」
「一応な。本人が免許を取りたいって言ったから取らせたんだ。腕はなかなかだぜ。まあ運転が荒いから助手席に乗る奴はヘリ酔いは必須だな」
「……」
 ウィルの青ざめ顔も納得である。
「ま、ウィルにしちゃレオ坊とスーを一緒にさせるよりかはましなんだろうけどさ……ようし、出発だ」
 機体がゆっくりと浮かんだ。慣れない浮遊感に思わずベルトをつかむ。そのままヘリはビルより高く浮かび、動き始めた。
 レオンは窓に手をかけ、写りこむ景色をのぞく。いつもは見上げるだけのビル群が眼下に並び、その先の地平線では今まで見たことがないほど大きな夕焼けが沈みかかっていた。普段見ているものと変わりないものだろうに、見る視点を変えるだけでこれほど美しく見えるのか。
「どうだ、いい景色だろう」
「……まあまあだな」
 レオンは振り向かないまま返答する。叔父はためいきをついた。
「なんだ、まだ拗ねているのか」
「拗ねるくらいで済めばいいほうだろう。死ぬかと思ったし、最初から話しておいてくれればよかったのに」
「はは、だましたのは悪かったと思っているよ。だがまあ、スーもあれで警戒心が強い。君が信用に値する人間か、自分の目で確かめさせたかったんだ」
「それにしたって」
 口をとがらせるレオンに、また軽い笑い声が飛んでくる。
「……彼女もな、君と同じ奇異の目で見られていた」
 思わず叔父のほうへ顔を向けた。夕日に照らされた端正な横顔は、幼いころに自分を見つめるまなざしを連想させた。
「生まれつき蛇になる獣憑きとして、とある屋敷に幽閉されていた。君のように発作的に暴れることこそなかったが、決して外へは出られない暮らしだ……息を吸って吐くだけの生活は、どれほど息苦しいものだろうな」
 目線に気づいたのか、叔父がこちらの方へ顔をむける。歯をむきだして笑う屈託のない表情はとても十も離れた年上とは思えない。
「それからまあ色々あって、今じゃ俺の部下さ。誰に似たのか好奇心旺盛でな。見るものすべてが楽しいらしい。最初にヘリに乗った時も、お前みたいに窓に張り付いてじっと外の景色を眺めていたよ」
 平たい手のひらが豪快に自分の頭をなでる。背が縮むかと思うほど強く押されて男をにらむが、あえてふり払うことはしなかった。この男は抵抗すればするほどかまいたがる人間なのだ。レオン自身、それをひどくうれしく思う。
「君たちはよく似ている。お前も早く彼女のように、生きやすい道を見つけられるといいな」
「おじさん……」
「殺してくれ、なんてお前の口から聞いたときは肝が冷えたぞ。本当に生きてくれて良かった」
 どう答えていいのかわからなかった。ただ、叔父の気が済むまで頭を撫でられることにした。
「そうだ、商談が終わって、ホテルにいったらみんなでトランプしないか? 大勢でやるトランプは楽しいぞ。七並べにポーカーに、シンプルにババ抜きもいいな」
「さすがに休ませてくれないか。それにトランプは苦手だ。一度もおじさんに勝てたためしがない」
「なに、ちょっとだけさ。人数が増えれば勝ち目も増える。スーなんてああ見えて意外とわかりやすくてな。ババ抜きでジョーカーを引くと無意識に目で追う癖がある」
「いやだから……はあ、わかったよ」
 たわいもない会話はつづいていく。そびえたつビル群の果てに、太陽はゆっくりと落ちていく。
 レオンの奇妙な日常は、まだ始まったばかりだ。





《 密室0922からの脱出 了 》





【 あとがき 】
お疲れ様です、白乙です。
今回も参加させていただきありがとうございました。

前回までのお話がわりと未成年が中心の話が多かったので、今回はメインキャラを大人にしてみました。当時見ていたフリーゲームの実況動画が脱出ものだったので、元ネタを参考に脱出もので書き始めたらもう止まらないまとまらない(汗)
色々好きな要素を詰め込みまくった気がします。

結局はいつものドタバタしたノリになりましたが、楽しんでいただけたら幸いです。

ではでは、長くなってしまったのでこの辺で。
読んでいただきありがとうございました!


(カクヨム) 白乙
https://kakuyomu.jp/users/Kakuriya

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