Mistery Circle

2018-11

《 カボチャでも書ける小説講座 》【 第四回目・小説ってどう書くの? その① 】 - 2017.11.03 Fri

【 第四回目・小説ってどう書くの? その① 】



初号機





 さて、前回までは大雑把な解説だったけど、今回からは一つの項目について掘り下げながら解説して行ってみたいと思うよっ!
 まずはとっても基本的な部分から。

「小説ってどう書くの?」

 第一回目の時に、誰でも小説は書けるって言っちゃったけど、具体性はどこにも無いよね。まぁ、初めて小説を書こうって思う人の最初の壁はここかな。
 頭の中の世界をどうやって文字に起こすか。

 これってルールだの方法だのって言う具体的なものが無い分、教えにくいんだけどね。
 ボク的に、「こうやったら出来るんじゃないかな?」って言うやり方が一つあるので、まずはそれを説明するね。
 とりあえずは、自分の頭の中にある場面の、キャラクターの台詞から!

天野「どうする、コイツ。作戦の内容は全部聞かれちまったぜ」
伍長「迷う必要なんざねぇ。この脳天、吹き飛ばしちまえば問題は解決だ」
内藤「頼む……やめてくれ。俺はあんた達の邪魔をするつもりは無かったんだ」


 さて、上記は映画の台本のような台詞のみ。ではここでもう一つ、まんま台本のような、“柱”と、“ト書き”を入れてみましょう。

柱 真夏の午後。走る貨物列車のコンテナの中。
ト書き 樽の上に腰掛け、葉巻を吹かしながら内藤を見降ろす天野。彼の背後のコンテナのドアは大きくひらかれ、見渡す限りの荒野が見えている。
台詞 天野「どうする、コイツ。作戦の内容は全部聞かれちまったぜ」
ト書き 内藤の後頭部にショットガンの銃口を突き付け、薄笑いをする伍長。その声は低く、絶えず鳴り響くレールの音で、彼の言葉は聞こえにくい。
台詞 伍長「迷う必要なんざねぇ。この脳天、吹き飛ばしちまえば問題は解決だ」
ト書き 上半身を縄で縛られ、あちこちに青あざを作りながら座らされている内藤。
内藤「頼む……やめてくれ。俺はあんた達の邪魔をするつもりは無かったんだ」

 おっと、さっきの台詞ばかりのものとは違って、場面がはっきりして来たねっ!
 もうこの状態でも充分に内容は分かるけど、このままだと単なる脚本に過ぎないので、余計なものを省いてみるねっ!

 真夏の午後。走る貨物列車のコンテナの中。
 樽の上に腰掛け、葉巻を吹かしながら内藤を見降ろす天野。彼の背後のコンテナのドアは大きくひらかれ、見渡す限りの荒野が見えている。
「どうする、コイツ。作戦の内容は全部聞かれちまったぜ」
 内藤の後頭部にショットガンの銃口を突き付け、薄笑いをする伍長。その声は低く、絶えず鳴り響くレールの音で、彼の言葉は聞こえにくい。
「迷う必要なんざねぇ。この脳天、吹き飛ばしちまえば問題は解決だ」
 上半身を縄で縛られ、あちこちに青あざを作りながら座らされている内藤。
「頼む……やめてくれ。俺はあんた達の邪魔をするつもりは無かったんだ」

 ハイこれ、柱だとかト書きとか書いているのを消しただけ。もうこれで、ぐっと小説の文体に近付いているねっ!
 でもこのままだと、台詞が誰のものなのかが分からない。そこで、台詞の後ろに、「と、××が言った」と、続けてみるね。

 真夏の午後。走る貨物列車のコンテナの中。
 樽の上に腰掛け、葉巻を吹かしながら内藤を見降ろす天野。彼の背後のコンテナのドアは大きくひらかれ、見渡す限りの荒野が見えている。
「どうする、コイツ。作戦の内容は全部聞かれちまったぜ」と、天野は言った。
 内藤の後頭部にショットガンの銃口を突き付け、薄笑いをする伍長。その声は低く、絶えず鳴り響くレールの音で、彼の言葉は聞こえにくい。
「迷う必要なんざねぇ。この脳天、吹き飛ばしちまえば問題は解決だ」と、伍長は言った。
 上半身を縄で縛られ、あちこちに青あざを作りながら座らされている内藤。
「頼む……やめてくれ。俺はあんた達の邪魔をするつもりは無かったんだ」と、内藤は言った。

 さて、これでもう大体は小説風になったよね。
 実際はもうこのままでも充分に読めるような形にはなっているんだよね。
 だけど面倒臭い事に、台詞の後に、「と、××が言った」を連発すると、とても素人臭く、書き慣れてない感が満載になっちゃうってのが悩みなんだよね。
 上手い人は、それをなるべく使わない。「と、××は仄めかした」とか、「そう言って笑う××」とか、そう言う工夫でワンパターンを解消しているんだね。
 じゃあ、どうやってそう言う違うパターンを作るか。一番手っ取り早い方法は、その前後に付く描写をダイレクトに繋げちゃう事。
 では上の文章を例に取ってやってみようね。(ここから色分けしません)

 真夏の午後。走る貨物列車のコンテナの中。
 コンテナのドアは大きくひらかれ、見渡す限りの荒野が見えている。
「どうする、コイツ。作戦の内容は全部聞かれちまったぜ」
 樽の上に腰掛け、内藤を見降ろす天野は、葉巻を吹かしつつそう言った。
「迷う必要なんざねぇ」伍長は薄笑いをする。「いざとなったらこの脳天、吹き飛ばしちまえば問題は解決じゃねぇか」
 その声は低く、絶えず鳴り響くレールの音で、彼の言葉は聞こえにくい。
 上半身を縄で縛られ、あちこちに青あざを作りながら座らされている内藤は、その伍長にショットガンの銃口を後頭部に突き付けられながらも懇願する。
「頼む……やめてくれ。俺はあんた達の邪魔をするつもりは無かったんだ」


 ちょっと台詞部分や描写を改造しちゃったけど、これは台詞の繋がりを考えての事。
 これでもうほとんど完成形な感じだよね。
 ではここに、更に詳しい描写を書き加えてみよう。

 蒸し暑い真夏の午後。見渡す限りの荒野の中を駆け抜ける十二両編成の貨物列車。その貨物の一両に、三人はいた。
 彼らの背後のコンテナのドアは大きくひらかれ、焼けた熱い風が容赦なく吹き付けて来る。
「どうする、コイツ。作戦の内容は全部聞かれちまったぜ」
 樽の上に腰掛け、ポンチョとメキシカンハットで変装を施した天野は、憐れな男を見降ろしつつ、葉巻の煙を吐き出しながらそう言った。
「迷う必要なんざねぇ」と、カウボーイ姿の伍長は薄笑いをする。「いざとなったらこの脳天、吹き飛ばしちまえば問題は解決じゃねぇか」
 その声は低く、絶えず鳴り響くレールの音で、彼の言葉は聞こえにくい。
 身ぐるみを剥がされ、ほとんど下着姿のようになった内藤は、上半身を縄で縛られ、あちこちに青あざを作りながら座らされている。
「頼む……やめてくれ」伍長に突き付けられたショットガンの銃口を後頭部に感じながら、内藤は尚も懇願する。
「許してくれよ。俺はあんた達の邪魔をするつもりは無かったんだ」


 ハイ、完成~♪
 とりあえず、台詞オンリーなものから、ここまで持って来れるよって言う感じの説明だったねっ!
 では次回は、この例文を使って色んな事を勉強してみようねっ!



【 第五回目・小説ってどう書くの? その② 】に続く。


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